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493 日和崎=下北郡風間浦村大字下風呂(青森県)岩棚は消え立石は残った [岬めぐり]

 どこまでも晴れ渡り、歩くと汗ばむほどの日和だった。
 “日和”という名があるところをみると、観天望気に関する謂われかなにかでも、あるのだろうか。
 遠く北海道の亀田半島を望む日和崎は、岩と堤防の岬であった。
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 国土地理院がWebで公開している「電子国土」では、堤防の東側にかなり幅と厚みのある岩棚が広がっているように描かれており、Yahoo!地図もこれに準じた表示になっている。(Googleマップが採用しているZENRINの地図ソースでは、海岸線の描き方が相当にいいかげんで、この辺りも例外ではなく、無視するしかない。あしからず。…といいつつZENRINを使ってるじゃないか、というツッコミへの答えは、すでに何度も書いたので繰り返えさない。)
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 ところが、「電子国土」も古いのか、歩いてみると、現実とは違うということがままあるのだが、ここもそうで、海の中に岩がごろごろしているだけで、地図に陸地として描かれるような場所ではない。ちょうど、波頭が砕けて白い線を描いているところが、かつての岩棚の端だったのだろう。
 かなり近年のうちに、地盤沈下か波浪の影響による岩場の消失が起こったと考えるべきなのだろうか。
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 下風呂には温泉があり、温泉旅館も数軒ある。ここに泊まることも考えてはみたが、コースの設定上なかなかうまくいかなかった。温泉旅館は、279号線から離れた上のほうにあるらしいが、回り道も面倒だし、とくに用があるというわけでもない。
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 温泉地だから、なにか必要と考えたのか、漁港の北側の埋立地には、公園ができている。そこでは、立石の周りだけを埋立てずに池にして残してある。
 この“立石”というのは、日本の海岸線ではあちこちにあり、それがまた地名や呼び名として定着しているところが少なくない。文字通り、石が直立しているわけだが、こうした自然の気まぐれな造形にも、何かを感じて珍重してきた日本人の精神がある。
 鳥居と祠があり、二見浦の夫婦岩のように、しめ縄が渡してある。これも、あちこちで見ることができる。
 ここもまた、完全に埋立ててしまうには、躊躇があったわけだろう。周囲を小さな池にして残し、周辺は公園にして…というのは、妥協案として悪くはない。だが、となると、“ここはこの“海峡いさりび公園”という公園を造るためにだけ埋立てたのか”という、新たな疑問と不審もわいてくる。
 もちろん、そんなことはあるまい。漁港の防波堤整備の計画があって、ついでにその内側を広げて公園にしょうとしたものだろう。
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 誰も人影のない大きな漁港のそばでは、小さな箱の中に女の人が座っている。これはやはり下風呂を通り過ぎるとき、昨日も別の場所で見かけた。聞いてみると、Jパワーが大間の奥戸に建設中の原発工事関係車両の監視ボックスだという。
 原発の車両だというのは見てわかるんですかと尋ねてみると、「わかる」という返事だった。
 大間原発の工事車両は、ここ風間浦村を通り抜ける以外に道はない。一本しかない道を、ダンプや建設資材を積んだ車が、大量に走り抜ける。
 風間浦村が考え出した、事故防止のための特別の対策なのだろうが、原発はできるときもできてからも、近隣の市町村にも大きな影響を与える。
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 おっ、温泉の匂いがしてきた。下風呂温泉の源泉らしきものが、道路脇にあった。
 日差しが強く、夏の盛りのようなお天気で、ちょっと一風呂浴びたいところだが、先を急がないといけない。
 小川が滝になって落ちているところに出くわした。風呂のかわりにここでひと休み。滝の音と、顔に降りかかるしぶきが、ひとときの涼を演出してくれる。
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▼国土地理院 「地理院地図」
41度28分22.13秒 141度5分8.74秒
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dendenmushi.gif東北地方(2009/09/10 訪問)

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タグ:青森県 地図
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