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476 物見崎=下北郡東通村大字白糠(青森県)六ヶ所村と東通村の境界でなにを見張るか「ものみの塔」 [岬めぐり]

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 高い山はない、と書いていたが、六ヶ所村の北部、横浜町との境界には、標高500メートルくらいの山が連なっている。その名も月山という山から延びる尾根と、それに接する大明神沢が北東に向かって太平洋に落ちるところが、物見崎である。泊からここまでは約3キロ。
 泊中学から乗ったバスは、なんと泊漁港までのバスと同じ運転手さんだった。下北交通のバスは、野辺地から泊車庫までの路線と、泊車庫からむつバスターミナルへの路線とがここで接続しているので、泊まできた運転手さんが一休みしてまたむつまで走ることになっているらしい。
 この運転手さんが、最初に「灯台があるところかなあ」といったのは、ここ物見崎のことだったのだ。お互いにそのことを確認し合ってから、降りたバス停は、いかにも地元流の名前だったが忘れてしまった。
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 とにかく、ここも338号線で、六ヶ所村と東通村の境界線である。
 六ヶ所村まで数歩戻って、物見崎へ向かうと、ほどなく灯台が見えてきた。こういう岬を歩いて行くと灯台が見えてくる風景は、なかなかいいものだ。monomizaki13.gif
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 少し前に雨が降ったらしく、水溜まりができている。なにやら水面がちらちらするので、何かいるのかと近寄っていくと水面は静かになる。目をこらしても、なにも見えない。離れてみると、またちらちらする。
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 都会暮らしをしていると、水溜まりまでがおもしろくなつかしく、そんな自分がまた、おかしかった。
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 この灯台は、燈光会の標識板によると、一般に物見崎灯台と称されてきたが正式には白糠灯台というらしい。もちろん、「物見崎灯台」が「ものみの塔」であったわけはないのである。けれども、「ものみ」というからには、あきらかに見張台の役目を負っていたからだろう。岬の先端には大きな岩場が続いているので、もしかしたら、ここに見張り台くらいあったのかもしれん。
 その岩場からは、北の太平洋の水平線が丸く見える。
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 そこでなにを見張るのかといえば、どう考えても軍事的・地政学的にはほとんど意味がないように思われるので、漁労上の必要によるものだったのだろうか。
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 物見崎のもうひとつのウリは、岬の南に続く海岸美と、大きな岩礁に押し寄せてはくだける波の躍動的な美しさであろう。波の動きに魅せられて、しばらく見とれていたが、東山魁夷画伯の唐招提寺障壁画を連想した。
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 別にここがモデルというわけではないし、考えてみれば、こういう海岸の風景は、日本の沿岸では特別めずらしいものではない。だからこその、障壁画モチーフであった、とも思える。
 大明神沢を渡るところで、高いところで道路工事をしている現場があった。それを見て、やっと気がついたのは、338号線は現在バイパスの工事中で、それがまだつながっていない部分が、泊の北から白糠の間なのだ。だから、国土地理院の地図ではこの間が幅員が狭くなっているのだ。
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 白糠は、東通村最南端の集落で、比較的大きな漁港がある。泊漁港ではまったく人影がなかったのに、ここでは次々と人が現れる。それも女性が多い。歩いている人も、車でやってきて降り立つ人、また車で去っていく人と賑やかだ。
 漁協前の会館に、健康診断用の移動検診車が停まっていて、この日は検診日だったのだ。monomizaki12.gif
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 港で次のむつ行きのバスを待つ間に、雲間から太陽が出て、物見崎と灯台を明るく照らした。

▼国土地理院 「地理院地図」
41度7分55.59秒 141度23分42.49秒
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dendenmushi.gif東北地方(2009/09/08 訪問)

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タグ:青森県 灯台
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