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473 長崎=玉野市築港五丁目(岡山県)崇徳院われても末にあはむとぞ思ふ [岬めぐり]

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 陸橋と川を越えて、タクシーが着いたところは、築港4丁目と5丁目の境で、競輪場の駐車場だった。長崎は、護岸工事や港湾や埋立て地が続く玉野市の東海岸で、わずかに残った数少ない小さな自然の岬である。
 内海なので、小さな岬の陰でも、船の係留くらいには使える。ここの岩場も、絶好の釣り場となっているらしい。
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 長崎のバックに連なるのは直島群島の島々で、上の上臈島や局島という、曰くありげな名の島が続く。すぐ向かいの島は、北の端にあたる牛ヶ首島、屏風島、嘉兵衛島であり、とくに嘉兵衛島には、古い時代から製塩所があったとされており、その遺跡がある。
 瀬戸内海の航路・海運は、かなり古くからあったとみられる。当たり前といえばそうだが、波の静かな内海の海路では、陸路の山坂を越えて行くよりも、何倍も優れた交通手段であった。伝説の神武東征以来、遣隋・遣唐使船の往来から、源平合戦から、戦国時代の直島水軍などなど、主だった歴史のなかでも、常に海路が主要な交通路であった。そのため、吉備の海岸や島々は、重要な役割を果たしていた。
 百人一首にあって、これも比較的覚えやすい歌に、こういうのがある。
  瀬をはやみ岩にせかるる滝川のわれても末にあはむとぞ思ふ
 落語にもこれを題材にした「崇徳院」という恋煩いの噺があるが、これは崇徳上皇の怨霊慰撫のために後から捧げられた院号で、保元の乱に敗れて讃岐に流される途中に、すんなりと讃岐の受け入れが決まらず、3年もの間を直島で過ごしたというので、多くの言い伝えや地名などが残されている。
 そんな昔から島々はそこにあり、人々が往来していたというのが、考えてみればえらいことである。
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 玉野競輪場が、高辺鼻と長崎鼻のある山の懐に、市街地とは山を隔てて隔絶したような立地になっているのは、いくらかのやましさを表わしているのだろうか。
 競輪というのも、車券を買ったことも見たこともないので、よくわからない。が、その多くは地方自治体の財政の一部を支えている。早い話、バクチのテラ銭と胴元のアガリをあてにしているわけだ。
 しかし、スポーツとしての自転車競技では、エキデンと同じくケイリンもまた国際的だというが、これもよく知らない。オリンピックの中継などでみると、あれもなかなか不思議な競技だ。ツールド・フランスもBSで何度か見たが、もっぱらヨーロッパの田舎の風景を楽しむためで、基本ルールをまったく説明してくれないので、なかなかわからなかった。スポーツ中継に限らず、テレビ放送ではよくあることだが、アナも解説もすっかり自分たちだけの世界にどっぷりと浸ってしまっている。のりピー保釈などでもそうだが、こうなるともう、放送でも報道でもない。
 自転車といえば、昨日(これを書いている2009/09/21の前日)所用があって、連休さなかの日曜日の銀座通りを歩いていたら、四丁目で交差する晴海通りを、何十台もの自転車がいくつかのグループになって走っていた。もちろん、ママチャリではない。
 なにかのイベントなのだろうが、東京の都心では今、自転車は人気なのである。でんでんむしは、もうずっと前から岬めぐり用にと「A-bike」を狙っているのだが、この輸入代理店がまったくやる気がないのか、それとも力がないのか、2007年の初入荷以来ここ何年もまったく入荷しない。
 ネットなどでは、似たような安いのがごろごろあるが、これはみんなバッタもんの類似品ばかりだ。
 タクシーの運転手さんに、宇野駅まで戻ってくれというと、「あれっ、いまもう電車が出るところですよ」という。そう、実は玉野市内は「A-bike」がまだないのでタクシーでめぐったのだが、そのため駅に寄ってダイヤを確認するのを、すっかり忘れていた。
 もっと頻繁にあるかと思えば、岡山行きは1時間に1本だという。次の電車では、岡山からの新幹線の乗継ぎには間に合いそうにない。折しもお盆休みもUターンラッシュが始まっているので、後の列車にするほど混雑が予想される。
 ちょうど、陸橋を越えて宇野駅に近づいたところで電車が出て行ったが、運転手さんは、岡山行きの高速バスが駅前から間もなく出ることを教えてくれたので、どうやらそれなら間に合いそうだ。
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 そのバスは、高速バスというが別に高速道路を通るわけではなく、一般道の各停の路線バスも別にあるので、それと区別するためらしい。なぜか運転席の横に水の入った大きなポリタンクを備えたそのバスは、児島半島の付け根を横切るようにして、山の中に入って行く。
 ここを抜けると、八浜という町になり、その北側には児島湖が広がる。八浜という地名には、こどもの頃から聞き覚えがあり、児島湖へは数年前にも来たことがある。

▼国土地理院 「地理院地図」
34度29分58.46秒 133度57分44.38秒
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dendenmushi.gif中国地方(2009/08/13 訪問)

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タグ:岡山県
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