455 鵜ノ巣断崖(水尻崎)=下閉伊郡田野畑村真木沢(岩手県)押し寄せる霧につつまれて [岬めぐり]
いかになんでも、これで「水尻(みっしり)崎へ行った」と言うわけにもいかないだろう。
鵜ノ巣断崖まで行けば、そこから東側に飛び出した、この岬が見えるはずであった。
だが、北山崎から南下する途中で、またしても「やませ」が押し寄せてきた。この海から湧き上がってくる霧は、陸地に文字通り押し寄せるような感じがするのだ。
そして、鵜の巣がその崖の途中にあるのでそのまんま名がついた、断崖の上までやってきたときには、もう150メートルの断崖もその高さもわからないくらいになっていた。
鵜ノ巣断崖への入口も、北山崎から島越までくだって、そこからまた山道に入り迂回したが、バカにでかい標識看板が、45号線の分岐点にできている。けっこう観光地らしく売り出しているようだが、来て見ると広い駐車場には一台の車も人影もない。
背の高いアカマツの林の中を、ホトトギスの声を聞きながら歩いていくと、断崖に出る。断崖の上だけあって、ぎりぎりに柵がめぐらせてあり、足場もよくない。
どうであろうと、とにかくこの霧では…。想像力で補うしかない。
もちろん、これではとても1キロちょっと先の水尻崎までは、見ることができない。
ここも、断崖の海岸線には道もできようがなく、海までは真っすぐ東へ走らないと到達しない。水尻崎は、弥生沢という深い谷を境として岩泉町に属しているが、1キロくらい歩いてもどうということはないのだが、道がないので、それもかなわない。
久慈の弁天鼻から北では、岩手県の海岸線は、青森県との県境に接する洋野町まで続いてあるのだが、ここには岩島が海の中に没したような海岸線は続いているが、岬はひとつもない。
したがって、宮古湾から北の岩手の海岸では、今回の計画ルートで残る岬はこの水尻崎が最後だったのだが、結局ここが未踏で残ってしまったことになる。
ただね、いよいよ海岸線に別れをつげるという島越と切牛の境界線あたりで、道がカーブする寸前に、ちらりと岬が見えていた。
位置関係からいうと、これが水尻崎(みっしりざき)であっても、なんもおかしいことはないのだが…。
39度53分3.01秒 141度58分13.19秒
東北地方(2009/07/01 訪問)
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