445 真崎=宮古市田老(岩手県)まさかの「やませ」まさきも「やませ」 [岬めぐり]
「やませ」という言葉は、知ってはいた。知っているつもりだった。ところが、その特徴が「風」よりも「霧」のほうにより大きな比重がおかれていることは、実際に体験して初めてわかった。
最初は、霧の中にいても、単に梅雨だからこんなお天気なのであって、これが「やませ」だとは思わなかったのだ。風はほとんど感じなかったので、これが「やませ」という認識がなかった。
ちょうど今時分から秋の始め頃にかけて、東北地方の太平洋側で東から吹く季節風がそれだが、オホーツク海からの気団が冷たく湿った空気を運んで濃霧を発生させるので、低温と日照時間の減少をもたらし、冷害の原因ともなる。
姉ヶ崎の次に、突出して目立っている岬が真崎であるが、きてみるとそこもすっぽりと霧の中だった。
ここには、06/30にまず訪れ、このときは北の築港から眺めようとした。ところが、朦朧とした霧の中で、岬もさっぱり要領を得なかった。そこで、翌07/01にも改めて訪問してきた。
二日にわたって訪れたので、その写真がいろいろ前後する。いちいち注釈をつけるほどのことでもないので、霧が深いのは30日の分、さほどでもないのが1日の分。
真崎の北側には、港のところまでは道があるが、高い堤防と崖で行き止まり。岩をよじ登って、堤防の向こう側を覗いてみたが、そこには垂直の崖があるだけで、ここからでは真崎の先端は見えない。霧が晴れていても、それは同じこと。
山の頂には灯台も神社もあると、地図には記されているが、それもまったくわからない。岬の上の林が、まるでレースのカーテンのように見える。
田老の町と港の北側の海岸には、「三王岩」という観光スポットもある。
こういった岩がひとつあると、道ができ展望台ができ、旅館ができ観光看板ができ、観光パンフに写真が載る。だが、三陸海岸ではこの程度の岩や崖は数多くある。
そのなかで、観光スポットの座を射止め、守っていくのにも、またいろいろな条件があるのだろう。
田老の町から数キロ北の45号線沿いには、“道の駅たろう”がある。そこには「やませの丘」という幟がはためいていた。
「やませ」という自然の厳しさをも、逆にアピール材料にしようということか。当然のように、それくらいのしたたかさもなければ、この地で暮らしを成り立たせていくことはできないのだろう。そんなことを思いながら、写真を入れたが、どうもちょっとこの写真がナナメになってしまっていた。が、まあ直すまでもないか…。
おや、よく見ると建物の壁にある「産直やませの丘」の文字が、変だぞ…!
39度45分4.35秒 142度0分10.26秒
東北地方(2009/06/29〜30 訪問)
霧にけむる岬は水墨画ふう、幻想的でござるな。デリケートな凹凸が形成する海岸線はたしかに美しいが「ちまちまして箱庭風」とも──拙者は武辺者ゆえ「バーンとひとつ突出した荒涼たる岬」が好みでござる。
山背(やませ)は元祖“お天気博士”倉嶋厚さんの話で覚え申した。なお山瀬まみは嫌いゆえ「ためしてガッテン」は見なくなって久しいでごわす。
裏文字といふのは単純なやつでも読みにくいものでんな。娘がのう、最初に覚えたのは自分の名前の“ま”でな、なぜかそれを反対に覚えてしもうた。裏返しの“ま”の字がところかまわず書かれていた当時が、この幟で甦った次第。
by dotenoueno-okura (2009-07-14 12:50)
@あのね、人の好き嫌いは誰でもあるけれど、それはあまり表ざたにしないほうがいいと思って、自制しています。でもね、テレビ番組や政治家の悪口は、いくらでもいうけど。でんでんむしも「ためしてガッテン」という番組は、見ていない。
「箱庭」ね、なつかしいですね。昔は、夏のお盆にからんだ行事で、よくやっていました。ちまちましたところが、またいいんだね、これが。
しかし、この北部三陸海岸では、dotenoueno-okuraさんお好みのような岬は、あまりないようです。
by dendenmushi (2009-07-15 06:28)