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441 竜神崎=宮古市日立浜町(岩手県)重茂半島に向き合う宮古では湾深く山も煙突も高く… [岬めぐり]

 “宮古では、北北東の風、風力3…”という、ラジオの気象通報で焼き付いた地名が、いくつかあった。なぜか、宮古とか小名浜とかは、耳の記憶に鮮明な地名である。気象通報で名前を聞いても、そこがどんなところか、さっぱりイメージはわかなかったが、それでもいろんな想像をたくましくし、まだ見知らぬ土地への思いを募らせていた。テレビが、どこでもかしこでも各地の風景を垂れ流し映し出すようになると、その神秘性は急速に失われていく。だが、テレビで何度も見ていても、実際にこの地にやってくる機会はそうそうはなく、今回が2度目である。
 宮古湾は10キロもあろうかという深くて大きな入江で、港の正面には、重茂半島の大きな山塊が聳え(広角の写真ではあまりその雰囲気がでないが)あたりを圧している。最高点は450メートルほどだが、なにしろ、海からいきなり盛り上がるので、印象が深いこの山はその名も月山という。
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 宮古港の、入口にあるのが竜神崎である。その名の由来となったものであろう赤い鳥居と橋と社を祀った岩島が、その先端にある。
 ここは、そのすぐ手前まで、港湾施設の造成で埋立てられており、関連の建物がふさいでいるので、今ではこの赤い鳥居と橋のみが、かつての美しい岬の姿を留めているのだろう。
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 竜神崎から湾に沿って北東へ伸びる尾根があり、この北端が館ヶ崎という別の岬になる。
 三陸海岸は、もう数十年も前に、一度電車で八戸から釜石までを走り抜けたことがある。だが、その時には浄土ヶ浜のほかには、ひとつの岬も確認できずじまいだった。
 このリアス式といわれるでこぼこと変化に富んだ海岸線は、平地も渚も、海岸を走る道も、ほとんどない。あるのは、高い断崖絶壁と、入り組んだ岩場と、深い入江と…。
 だから、この宮古=久慈間では、幹線道路の45号線も、電車の線路も、一部を除いて多くは内陸部を通っている。したがって、そこから岬のある海岸まで出るのには、これまたほとんどの場合バスもなく、ただ歩いて行くしかない、という場所が多い。
 よく、三陸の観光ポスターなどで、断崖の海を見下ろす高い鉄橋の上を電車が通っている写真があるが、実はああいう場所は、かなり限られている。
 三陸も宮古から久慈までの北側のみで計画したが、何日もかける計画ならばともかく、どう考えてみても車でないととても行けそうにない。そんな話を縁者のI氏としていたら、じゃオレが運転してやるから一緒に行こうという話になった。I氏も、でんでんむしの影響で、“海外旅行よりも安い切符で国内一人旅”という楽しみ方のスタイルに、最近目覚めたらしいのだ。
 そんな懸案のプランが、“JR東日本の3日間乗り放題12,000円切符”の発売期間に、今回やっと実現することになった。
 最近、車を替えたI氏からは、東北新幹線に乗らないで日曜に出発すれば1,000円で行けるという提案もあったが、それはいかになんでもと遠慮した。高齢者ドライバーへの風当たりが強まる風潮のなか、老人二人が乗った車が事故など起こした日にゃ、世間の話題になりかねない。
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 「はやて」で盛岡まで行き、そこから山田線に乗り換えて、2時間も山の中を東に走って、やっと宮古に着く。そこで、駅前でレンタカーを借り、まずやって来たのが、この宮古港のはずれの竜神崎だった。
 山田線とともに、ほぼ並行して流れ下ってきた閉伊(へい)川が、湾に注ぐところにできた宮古は、自然の後背の山を利用しながら、埋立て地を伸ばしてきたらしい。港に向かう途中、市役所の先には「築地」という地名があり、すし屋がたくさん並んでいる。
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 この付近でよく使われている「閉伊」の名は、戦国の前にここらを縄張りにしていた豪族の名らしい。町で目立っているのは、高い一本の煙突である。これは、閉伊川の南にあるラサ工業宮古工場の煙突で、なんでも“日本で二番目に高い”のだという。一番目がどこかは知らないが、ひょっとすると佐賀関か。

▼国土地理院 「地理院地図」
39度38分36.55秒 141度58分32.35秒
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dendenmushi.gif東北地方(2009/06/29 再訪)

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タグ:岩手県
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