397 小浦崎・洲崎・兜崎=日高郡日高町大字小浦・大字津久野(和歌山県)バスの車窓から眺める岬 [岬めぐり]
馳出の鼻を過ぎると、バスはこの周辺では比較的大きな阿尾の集落と港湾施設の間を走り抜けて行く。港も結構大きくて、それを過ぎたところで海が見えてくる。
馳出の鼻と小浦崎の間は、湾というには広く開放的な海が広がっていて、その北の端に見えてくる岬が小浦崎である。湾の中央には、岩礁が固まっていて、その危険を知らせる赤い標識灯が立っている。こういうのはやはり「灯台」とは言わないのだろうか。いつか、灯台の定義を調べたような気もするが、忘れてしまった。
走るバスの中からのいいかげんな写真なので、少しわかりにくいかも知れないが、先端の小浦崎の東には洲崎という岬があり、小浦崎から洲崎にかけて、二つの岬を結ぶ海岸線は独特である。まるで半島の途中から、ナタでばっさりとぶった切ってその先端の半分は海中に没したかのようである。その海岸は、岩礁で覆われているようだ。それは、国土地理院の等高線のはっきりした地図をよくみれば、すぐに気がつくことだ。
その洲崎の向かいには兜崎という、やはり岩の岬がある。その間にある小さな湾の奥には、小浦と津久野の集落がある。
この見渡す半島には、北からこの小浦・津久野に続いて比井・産湯、そして阿尾という地名が続き、そのそれぞれが、入江と岬と、港や船溜まりと、集落を抱えているのである。
これが、都会からははずれた地方の、代表的な日本の海岸の姿である、といって差し支えないような風景が、それぞれの凸凹ごとに連続している。
なにしろ、バスの車窓からなので、あまり細かいことはわからないし書けないが、そんな気がする。
小浦崎の遠くに見えるのは、ここから北北西に約42キロほど離れた淡路島南部に屏風のようにそびえる諭鶴羽山の山並みである。
この小型バスは、御坊の始発から乗ってきたバスの折り返しだが、ちょっといつものバスと形が違っていて、乗降口が中央付近にあり、でんでんむしがいつも座る指定席の部分(一番前の運転手さんの横)には座席がなくて荷物スペースなのか。窓の桟には、なにかプラスチックの箱のようなものがくっついていたり、車窓写真を撮るにも、いろいろ苦労する。
このバスには、初発のときからもうひとり指導員かなにからしいバス会社の人が乗ってきて、ドアの後ろの席に座っていたので、無駄話は遠慮した。
しかし、気の毒なほど、乗ってくる乗客は稀である。本数が少なくても文句は言えない。このバスが、こんなところをほんとによく走っていてくれる、と思ったりする。
33度55分36.36秒 135度3分56.38秒 33度55分27.13秒 135度4分16.46秒 33度55分23.16秒 135度4分33.61秒
近畿地方(2009/01/24 訪問)
ほうですか、指定席ねえ。拙者がたまに乗る路線バスのその席には「危ないのでお子さまはご遠慮ください」みたいなことが書いてあります。ほいから「乗務員には話しかけないでください」とか「踊り子さんには手をふれないで……」とか、いろいろ。ほいでも他に乗客もないローカルバスでは、運転手との会話には得がたい情報があるでせうね。
当地の電鉄には似た構造の旧型車両があって、運転手ボックス脇の半分はフロントガラス部分があいている。その前に立つと、視界が広くスピード感があるから自分で運転しているやうな気分になります。
by dotenoueno-okura (2009-04-03 07:35)
@そう、バスによるとシルバーシートになっていたりするのもありますけどね。
運転席に寄って外を眺めるのは、こどもの頃とまったく変わっていないということですね。
「乗務員には話しかけないでください」は、千葉の岬めぐりでタイトルに使ったような記憶が…。
ほんとは運転手さんが乗客と必要以外のことを話すのは、服務規定で禁止されているんでしょうけどね。
でも、乗客が一人しかいないとなると、話は別ということで…。
by dendenmushi (2009-04-04 07:47)