381 明神崎=泉南郡岬町多奈川小島(大阪府)大阪府で最後の4つ目の岬は最南西端で [岬めぐり]
中ノ峠を過ぎるとそこからは岬町の多奈川小島で、ここが大阪府の最南西端の集落で、漁港があり、大阪府で4つしかない岬の最後の岬があり、岬の上には住吉神社がある。相変わらずわが道を行くZENRINの地図では、「岬住吉神社」と表記してあるかと思えば、縮尺を変えると「住吉神社」となったり、まことにこだわらないというか自由自在である。でんでんむしが、Googleマップを使わないのは、ソースがこれと同じだからである。そういいつつ、buzzmapを使っているのは情けないが、しようがない。
岬の北側には、長い鋼材でできた構造物が、海に向かって突き出ている。これは有料の釣り堀ならぬ海釣り場である。そこを過ぎると、明神崎は長々と見えてくる。北側からみる明神崎の周囲の海岸には、なんだかわからないが、海中に柵がめぐらしてある。
この岬は県境の山並みが海に向かって落ちるところに飛び出した小さな尾根の続きで、岬に添う道もあるがこの尾根を切り開いたコブを越えて港の方に出る。
南側には小島の漁港があり、それによって岬周辺も埋立てられている。これがなければ、海のすぐそばに鳥居があって、すぐに石段を登ることになる。きっと昔は、船が鳥居の前に着くようになっていたのだろう。
大阪が本社の住吉神社は、その系列支社は全国に2000もの数があるといわれる。でんでんむしの住んでいるところには、佃島の住吉神社があるが、看板や同じでもそれぞれが独立した宗教法人である。どこかのコンビニのように、本部のきつい縛りがあるわけでもない。それぞれの由緒も、基本は踏襲していても、かなり地域の独特の謂われによってアレンジされていることもある。佃島では大権現家康も祀られている、という具合だ。
ここの神社も、祭神は息長足姫命(おきながたらしひめのみこと)、つまり神功皇后であるが、本殿の脇には稲荷・御霊・琴平・菅原の4つの社が祀られており、天然記念物になっているウバメガシの叢林に覆われた境内には、別に龍神の立石もある。
「明神」というのは、単独の神様を示す呼名ではなく、その祭神をたたえ、崇敬の意を表わしている尊称なので、明神崎というのも、もちろん住吉神社があるからではあるが、それだけでもないのだろうと思われる。それも、神仏習合以来の日本独特の宗教観による。
住吉神社の地理的位置は、海上交通の要所といわれる場所にあることが多い。ここに住吉さんがあるのも、航海安全を守る神様だからなのであり、それで末社に金比羅さんもあるのだろう。
この小島にはバスがきているようでバス停もあるが、それもここが終点。ちょうどやってきたバスは、2人の乗客を乗せると、すぐ多奈川のほうへ引き返して行った。
ここから先、公共交通の手段はなにもないというわけだが、みさき公園からここまで歩いていた岬めぐりは、さらに先へ行く必要がある。
港を後に歩き始めると間もなく、大阪府と和歌山県の県境にさしかかった。ここにある埋立地の建物にも、海釣りの施設があるのか、“釣り放題”など色とりどりの幟がはためいているかと思えば、最近では高級魚として有名になった「くえ」を模したらしい作り物が、大きな口を開けて道を見下ろしている。
その下に立てられた、大雑把にまとめた“魚類供養塔”なるものが妙にしらじらしいのは、その隣の小屋の壁に、総理大臣と議場でコップの水を野党議員に投げかけた武勇伝で知られる地元代議士の名が並んでいるからだろうか。
自民党代議士のなかには、総理とのツーショット写真を敬遠する向きもあるといわれているが、さてさて、そんな姑息なことでいつまで有権者はごまかされるんですかねえ。
北向きの、海に面した道路一本だけの県境は薄暗いが、どうやら前日からの雨の影響から抜け出し、空は青く澄んできた。
34度18分53.98秒 135度5分38.42秒
近畿地方(2009/01/23 訪問)
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