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377 尾ヶ崎=鳥羽市坂手町(三重県)原点に返るのはそんなにむずかしいことか [岬めぐり]

 鳥羽港の権現堂崎から始まった今回の岬めぐり三重県・鳥羽志摩シリーズも、再びその起点・原点であった鳥羽港まで戻ってきて、これで一区切りとなる。
 バスセンター隣の駐車場に隣接する、港に沿った細長い公園は、鳥羽港を望むのに最適なのだが、あいにく工事中で立ち入りができない。
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 鳥羽港の前にあるのが坂手島で、正面に見えるのはホテルだが、島の南端にあたる水産研究所のあるその先が尾ヶ崎となる。写真の右手がそうだが、遠目には何の変哲もないところのようだ。
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 上の写真では左端の尾ヶ崎と向かい合う安楽島町の丘の上には、いくつものホテルなどがあるが、その右端の山の上に見えるのが、今話題の「かんぽの宿鳥羽」である。
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 1万円といわないまでも、500万円なら是非とも売ってほしいものだ。
 この岬めぐりのついでに、かんぽの宿についてふれたのは、1/12の366老岬の項目で前日宿泊した「合歓の郷」にからめてのことであったが、その後に異様な盛り上がりを見せることになった。その理由のひとつは、おじさんやおばさんのグループなど利用したこともあるという人も多く、みんながよく知っていて身近かに感じられたからだろう。
 でんでんむしがこれに食いついたのは、政官財の癒着構造が丸見えで、買手の人物が“政商”ともいわれ、なにかといえば“有識者”としてあちこちに顔を出し、もちろん郵政民営化でも動いた人間であったことと、さして野球を愛しているようには思えないのにプロ野球に手を突っ込み、近鉄が消滅することになったあの一連の騒動の渦中で動き回った人物であり、ホリエモンの出資者といわれたことなどで、まったく好印象がないからであった。
 1960年代に厚生省が始めた国民休暇村の施設は、現在では財団法人休暇村協会の経営になっている。でんでんむしもここの会員になっていて、送られてくる情報誌をみても、なかなかがんばっている。岬めぐりでも優先的に利用しようとするのは、一人でも泊めてくれるからなのだ。けれども、これも全部が全部一人客を積極的に受け入れているかどうかは不明で、その扱いもどうやら場所によって違うらしいのだが…。
 休暇村の場合でも、広大な国有地を使っているはずだが、ここの場合は比較的うまくいっているようにみえる。
 かんぽの宿は、たまに利用しようと思っても、ここは一人ではまず歓迎されないところが多いし、値段も決して安いとはいえないので、数回しか利用したことがない。
 13か所あったうちの8か所が歴代厚生大臣の地元にあったという旧年金福祉事業団のグリーンピア。これは既に廃止されたり外資にたたき売られたり、散々なことになっている。
 天下り・渡りの問題も、今更のように騒いでいるが、何十年も前から問題視され続けているのに、いっこう改まることがないのは、役人上がりの議員が多く官と癒着して政権運営を続けてきた自民党には、もともとその気がないからである。渡辺元行革相が離党せざるを得なかったのも、背景にはそのことがあろう。
 それでも有権者は、自民党に投票するという人間がまだ大勢いるし、またぞろ小泉首相待望論まであるというから、まったくあきれてしまう。納税者はどんな税制であっても怒らないでせっせと税金は払っているし、マスコミも幹部OBが人事院の顧問などに天下り指定席をもっていて、いわばひとつアナのムジナであり、若い記者は勉強不足・意欲不足で理想に燃えることもないらしいので、その原点とされていた社会の木鐸としての機能はさっぱりあてにならない。おまけに財界人にも人を得ず、経団連会長の会社も率先して派遣切りはするし、その大分での工場建設には会長の友人という人間が暗躍して、不当な利権を得ていたというニュースも伝えられる(このニュース、問題の当初からNHKが熱心に報道しているが、他の民放や新聞は、あまり気が乗らないように見受けられるのもおもしろい)。
 そんなこんなのこの国で、なにがあってもどんな税金のムダ使いをしても、役人で責任を問われた人間は一人もおらず、「公僕」という原点を忘れた官僚の勝手放題は、いつまでたっても続いていく…。
 こうして、岬めぐりとは関係ないことでも、たまには脱線しているのには、岬をめぐった頃、書いている時期の、世の中の空気もいささかは記録しておきたいという気持ちが働いている、という言い訳も用意してある。
 おじさんが政治批判などをするのは、しょせんこんな“床屋政談”程度のことであり、それを人前で声高に言い合ったりするのは、決して格好のよいものではない。家人からも、みっともないことはするなと諌められているし、本人もそれくらいはわかっているので、できるだけそう心がけている。
 だが、ときには勢いでついハジケてしまいたくなることもある。
 違う考え方や意見をお持ちの方も当然あろうが、まあ、これはしょせんへそまがりの独り言。見過ごしていただければありがたい。
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 鳥羽の駅からは、JRも出ているが、ここはやはり近鉄特急でしょう。若い頃には、近鉄大阪線の沿線に住んでいたこともあるので、いつも見慣れていたその頃と、全然変わらない近鉄特急には親しみもある。
 球団の近鉄は、その発足の当初は「近鉄パールズ」と称していた。あまり強そうでないというので名前を変え「バッファローズ」に落ち着いたように記憶しているが、その頃はパ・リーグのお荷物と言われ、同じくセ・リーグのお荷物と言われた「広島カープ」ファンのでんでんむしとしては、なにかしら親近感を持っていた。
 その元お荷物同士で日本シリーズを争った1979(昭和54)年、あの『江夏の21球』が生まれたのだが、それが掲載された雑誌の発売日には、わざわざ本屋に買いに走ったのも懐かしく連想される。
 伊勢志摩を歩いていると、どこへ行っても「赤福」の看板が途切れることがない。もちろん近鉄の駅のベンチの広告は全部「赤福」で占められている。世間は忘れっぽいので、いっときだけはヒステリックに騒ぐが、この世の中では75日もがまんして死んだふりをしていれば、またぞろ元へ戻ることは容易だ。
 事件の時にはしおらしく「原点に返って」などといっていた経営者も、さっそく利潤優先で通信販売を再開するという。「お客様のご要望にお応えするため」というもっともらしい名分が、空虚に響くのはなぜだろう。
 問題が起こるずっと以前から、そもそも“なぜ伊勢名物が山手線の駅のホームで売られていなければならないのだろう”という疑問をもっていたでんでんむしとしては、“「赤福」がほしければ伊勢までどうぞおいでください”というくらいの気概は持ち続けるべきだと思う。それこそが名物のいわれであり、それこそが「原点」ではなかったのか。
 岬めぐりの三重・鳥羽志摩シリーズは、これで終わりです。最後は、「ぐちぐちとぼやき特集」で締めてみましたが、たまにはこれくらいいいでしょう。ねっ。
 次回来週からは岬めぐりの原点に返って、紀伊半島は反対の西側から大阪・和歌山の岬を回ります。お楽しみに(してないか? 誰も…)。

▼国土地理院 「地理院地図」
34度28分58.36秒 136度51分22.15秒
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dendenmushi.gif東海地方(2008/11/22 訪問)

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タグ:三重県
きた!みた!印(5)  コメント(2)  トラックバック(0) 
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コメント 2

knaito57

快哉! 近ごろニュースをにぎわす不快な事象とその関係を明快に整理してくださった。まことにけっこうな“脱線”でした。
賛成! 七光りでのし上がったワルリーダー、有識者づらした政商はいつの世にもいるが、この二人は初めから“馬脚”が見えている。
異議なし! 誰も責任を問われぬままにえんえんと税金が浪費されていくこの仕組みこそ問題で、その元凶はそもそもの“原点”を忘れた役人だ。
んだ! 江夏の21球、樋笠の代打逆転満塁サヨナラホームラン、長嶋を4連続三振にとった金田の快投……ついでに力道山、栃若、ハイセイコーも知っている……といったら、自慢ではなくて年寄りのぼやきに聞こえるかなあ。
by knaito57 (2009-02-10 07:54) 

dendenmushi

@ほんとに、日本には政治家にも役人にも経済界にも、「人物」がいなくなってしまいましたね。
 これはいったいどうしたことでしょう。
 ひとつ考えられるのは、実力主義とか能力主義というのは、しょせんお題目だけで、実際はバカでも能力がなくても、その器でなくても、親の後を継げるという、1万円札のおじさんも目の敵にした「門閥主義」と世襲制が、すみずみまで行きわたったってきているからでしょうかね。
by dendenmushi (2009-02-13 08:49) 

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