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375 大鼻=志摩市阿児町安乗(三重県)安乗漁港の西の目印は禅智内供の鼻もかくや? [岬めぐり]

 安乗の大鼻といえば、的矢の海で知らない者はない。
 だが、「禅智内供の鼻」は“細長い腸詰め”のようだったらしいから、それとは自ずから異なるか。
 「鼻」が岬の名前に使われるようになったのは、その形が人間の鼻のように飛び出しているという、ごく単純で最も理解しやすい理由と、“はしっこ”の意味の「端」を“はな”と呼ぶこともあって、そこから転じてこの字が当てられたものであろう。
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 「大鼻」というのは「大崎」と同じで、大きいという意味とともに、そこら辺りでは一段と目立っている、ということでもあろう。その鼻の先、岩の端に、なにやら蜃気楼のように立って見えるものがある。沖行く船というのが、いちばんわかりやすいが、それにしては形も変だ。いったいなんだろう。写真をどう拡大してみても、わからない。方角としては、この方向をずーっといけば、御前崎や浜岡原発の方角になるのだが…。ohana01.gif
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 的矢湾の南側で、存在感を示しているのは、その崖の故であろうか。またしても、逆光になるのでその細かいギザギザはよくわからないが、渡鹿野島の東の岩壁から見ると、斜めに向かい合う菅崎とくっつき合うように並んでいる。
 高さは30メートルほどでしかない。だが、スッパリと斜めにナタでも入れたようなその姿は、湾内を行き交う船から見れば、大きな目印にもなったことだろう。
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 的矢湾が、昔から太平洋沿岸を往来する船の寄港地で、ここでいっときの休息と娯楽を求める船乗り達が集り、それに応える施設やシステムが渡鹿野島にでき、それが“女護が島伝説”を生み、近年まで尾を引いているというのも、人間の欲望を基とする経済活動の一端に過ぎなかったのか。
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 今、的矢湾の経済活動は、かきと真珠貝の養殖で、帰りの渡船からも、一艘の船にたくさんの人が乗って、なにやら作業をしているのが見えた。
 また、なにもない船着き場に着いて国府坂の上まで戻って、次のバスの時間まで大兎鼻のほうに歩きかけてみたが、やはり行き止まりになり、これはもうあきらめて、鵜方の駅まで戻ってきた。
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 鵜方駅前を起点に、だいぶうろうろしたが、それももう最後である。これから近鉄志摩線で、数日前と逆のコースで松尾の駅まで行き、前には通り過ぎた相差(おおさつ)まで向かう。

▼国土地理院 「地理院地図」
34度21分54.75秒 136度53分30.69秒
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dendenmushi.gif東海地方(2008/11/22 訪問)

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タグ:三重県
きた!みた!印(5)  コメント(6)  トラックバック(0) 
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きた!みた!印 5

コメント 6

knaito57

“鼻”──この書き出しで『鼻』を思い出しました。中学の教科書だったかのう。
しかしながら大鼻とくれば、これはもう『シラノ・ド・ベルジュラック』ですな。
ついでに学識ぶりを吐露すれば、競馬で逃げ馬が先頭を行くのを「ハナをうばう」といいやす。
なお、岬の鼻は“端”ではなく「顔からつきでた鼻のよう」という素朴な観察を採りたいです。 御免!
by knaito57 (2009-02-05 10:22) 

kakasisannpo

岬は、何となく旅情をくすぐられますね。


by kakasisannpo (2009-02-05 10:40) 

dendenmushi

@もちろん、この書き出しは、「もじり」です。だいたい、この手の本は、教科書で読んでそれっきりというのが多い。『蟹工船』が今若い人に読まれているというのは、驚きます。これは教科書では出てこなかった。出ていればそれも『新しい教科書一派』から、攻撃されていたでしょうね。
 「ハナの差」もユウメイですな。
 「端」=「はな」も、全国的に分布が認められるようで、これは二者択一ではなく、両方の成り立ちが考えられますね。
by dendenmushi (2009-02-07 08:32) 

dendenmushi

@ kakasisannpoさん、クロアチアに行かれたそうで。クロアチアは最近ブームらしいですね。サッカーファンにはなじみがあるでしょうが、あまり聞いたことないという人のほうがまだ多いのでしょうね。
 こどもの頃、切手を集めていたでんでんむしは、その頃から知っていました。(さりげなく自慢) もっとも、その頃はまだ独立して国になってはいなくて、それなのにクロアチアの切手だけは、外貨獲得のためかたくさん出ていたのです。
 ヨーロッパ人には有名な岬があるのですが、そこまではまだ手を足を広げるわけにはいかないので…。
by dendenmushi (2009-02-07 08:39) 

近藤孝悦

ご返事ありがとうございます、あとで落ち着いたらゆっくり
メールいたします、漁船時代、的矢港にも何度か入港
(的矢牡蠣、有名ですね)ワタカノジマに行き、お嬢様方に
一夜の夢を見させてもらいました、スナックでお酒を飲んでいると
何もしない者は帰れと、怒鳴られるんですから。
聞くところによると警察OBが島を仕切っているとかでした。
by 近藤孝悦 (2011-01-08 16:21) 

dendenmushi

@そうですか。近藤さんは渡鹿野島へ行かれたのですか。やっぱり、あのウワサは、ホントだったのですねえ。
 といっても、だいぶ昔のことですが…。
by dendenmushi (2011-01-09 08:07) 

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