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352 加布良古崎=鳥羽市安楽島町安楽島(三重県)安楽島で安楽に暮せた時代もあったのか [岬めぐり]

 加布良古崎は、600メートルほど、菅島との間に広がる加布良古水道に向かって飛び出した、そう大きくはないが、まことに岬らしい形をした岬である。人を寄せつけない岩磯がぐるりを取り巻いており、深い樹木に覆われた標高70メートルほどの長尾根には、神社がひとつあるだけで、人家の気配はない。その向うには、菅島の採石場が大きく見えている。
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 地図を見ると山上の神社までは山道がある。そこまで歩いていきたいところだが、ここは時間がないので、安楽島の人家の間の路地を抜けて、海岸に飛び出したこぶの上から眺めている。
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 このこぶには、4.4メートルの四等三角点がある。一等三角点だと、石標が埋め込まれて周囲を保護してあるが、四等は真鍮の丸いプレートが埋め込んである。ここの周辺にある岩や、民家の石垣なども、対岸の菅島のカンラン石と同じもののように見える。陸地は水道で途切れていても、地質はつながっているというわけだろう。
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 鳥羽駅前のバスターミナルから出た安楽島行きの小型バスが、中之郷桟橋を過ぎてから近鉄線と分かれて、その名も安楽島大橋を渡り、ひとつ峠を越えると、自然の入江を活用した安楽島港が見えてくる。
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 バス停を知らせるアナウンスを聞いていると、たまに「フリー○○」というのがバス停がある。田舎のバスにはフリー区間というのがあって、その間では停留所でなくてもどこでも手を上げればバスが停まって乗せてくれる。これもそうなのだろうが、ならばわざわざ停留所を設ける必要もないではないか。
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 バスの終点は、集落の中央の満留山神社前の広場で、降りるときに(例によって降りるときは一人だけだったので)運転手さんに「フリーってのはどういう意味ですか?」と聞いてみた。すると、「いやー、なんですかねえ。新人なんでよくわからないですねえ」という予期しない答えが返ってきた。新人だからこそ、教えなければならんし知っていなければならんだろうに。
 広場には、神社の石段の脇に、大きな屋根の建物があり、その破風には白鶴が舞う飾りものが取りつけられている。
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 これがなんと、1862(文久2)年から伝わる神社に芸能を奉納する舞台で、元は回り舞台だったというから驚く。昔の地方の元気さを偲ばせるこういうものは、たまにニュースで見たりするが、全国各地にかなりの数あるはずである。ここも、昔は豊かで、人々も安楽に暮せた海辺の集落だったのだ。

▼国土地理院 「地理院地図」
34度28分25.78秒 136度52分36.66秒
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dendenmushi.gif東海地方(2008/11/19 訪問)

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タグ:三重県
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きた!みた!印 3

コメント 2

knaito57

様変わりな明るい光景ですね。この辺の岬の横綱は潮岬でしたっけ? 昔、ラジオの気象予報(?)で「南南西の風、風力3」とかやっていた。そう、御木本幸吉と江戸川乱歩、都市対抗野球(?)で強かった三重交通とか、子どものころを思い出させます。それはそうと、拙者もトシで“安楽死”は是認すべきと考えるやうになり申した。というのは、高齢化社会だからとか、こんな世相だからというのではなく“個人の意志”は尊重されるべきという信条からで。
by knaito57 (2008-12-15 08:21) 

dendenmushi

@潮岬まで「この辺」に含めてしまおうとするのは、それはムチャというものですよ。
 この辺は、鳥羽・志摩エリアで、この範囲で横綱といえば、それは大王崎でしょうね。大関が安乗崎というところかな。
 大王崎はもう書いているし、安乗崎ももう少しで出てきます。
by dendenmushi (2008-12-17 06:04) 

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