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347 花渕崎=宮城郡七ヶ浜町花渕浜(宮城県)鼻に願いを「鼻節神社」がある花渕浜の花渕崎 [岬めぐり]

 住居表示地名としての「花渕浜」は、かなり広い。その海岸線は、南の菖蒲田浜との境から北の吉田浜まで、およそ5キロは優にある。その東に向かって出っ張っているコブの、南の端が吠崎であり、北の端が花渕崎となる。
 地図では道がないが、むりやりにこの二つの岬の中間にある出っ張りまで押し通り、この花渕崎を眺めている。南側から見ているので、どうにか“黒崎”にならずにすんでいる。ここも、黒いけどね。
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 しかし、ここまでやって来るのが結構大変だった。
 高山の峠を越えて下ると、天神堂と呼ばれる地域で、住宅なども多いが、そこを過ぎると視界が開け、盆地のような田園風景がある。細い尾根のようなものが御殿山へ向かってだらだらと上っており、その下には田圃の中を真っすぐな農道が、一本だけ山に向かって走っている。
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 その分かれ道の角に、「鼻節神社」の大きな標識がある。それに釣られるようにして、尾根道を上って行ったのは、最近どうも鼻の調子が悪いので、御利益が得られるかと、勝手に考えたのだ。
 ん? 「花渕」と「鼻節」? 人間の鼻とも、岬を意味する鼻とも関係なく、単なる転訛・当て字なのか?
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 「鼻節神社」は、延喜式に由来する古いお宮さんらしい。赤い鳥居のあるところから、道は御殿山の灯台へ行く道と分かれるが、このさい鼻のほうが優先する。石段を上ると、「表参道」という標識板が…。これはどうやら最近つくられたものらしい。なぜなら、いかにも“パソコンでつくってプリントしてみました”みたいな標識だったからである。
 しかし、ちょっとヘンではないか? だって、その左手には、コンクリート舗装も一部にある立派な道がほぼ平坦にあるのに、それではなくこちらが表参道だと標識が指している道は、まるで雨水が流れる谷筋のまま下って行く悪路である。下るとまた上らなければならない? ムダではないか? それでも、ここは素直に矢印の示す方向に下ると、最近木を切り薮を払って、整備をしている最中のようで、まだ完成していないのか?
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 とにかく、その荒れた「表参道」を下ってみると、薮が払ってあるおかげで、なんとか荒磯の海岸に出たが、海には降りられない。岬も見えるが、これは花渕崎ではない。
 そこから、表参道らしく鳥居があり、かなり長い石段が一気に駆け上がっている。なるほど。こういう仕掛けか。(この石段、下の国土地理院の地図には、はっきりと明示されている。)
 ほとんど誰も上る人などいないようなその石段の途中からは、御殿山の灯台が木の間隠れに見える。
 石段を上り切ったところには、なにやら箱があって、そこにまたパソコンでつくった張り紙が、石段を上ってきた人にしか見えないように貼ってある。登り切ったところは、さっき見たコンクリートの道と合流するのだが、そっちの道を来た場合は、よほど注意深くわざに探さない限り、それはわからない。
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 “丸得情報”と題した張り紙のご指示に従って、七ヶ浜町観光協会特製タオル一枚をゲット!
 このタオルの紙に描いてあるキャラ七ヶ浜町の“ほっけのボーちゃん”は、だいぶ昔のことだが、テレビ東京の「TVチャンピオン」の「全国ゆるキャラ大会」かなにか、そんな番組で見たような憶えがある。ひとり暴れまくって、まったくゆるくなかったが、アレではないのか?
 余談だが、テレビ東京はエライぞ。いつもときどき書いていることだが、この局の番組企画力は、他のキー局がいつもマネして追いかけているのだから、それ以上である。ゆるキャラをテレビ番組にしたのも、あれが最初だったのではないか。
 ついでに、“ほっけのボーちゃん”のタオルに巻かれていた紙には、七ヶ浜町の観光情報も記載されていた。それによると、菖蒲田浜は海水浴場としては、全国でも3番目、もちろん東北では最初なのだそうだ。339の稲ヶ崎の項で、この辺りの海水浴場事情について推察していたが、宮戸島よりはこちらのほうが仙台の街にはだいぶ近いし広い。それに、昔は、バスも今よりもはるかに便利よく走っていただろうから…。
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 さらについでに、七ヶ浜町の花はハマギクで町の木はクロマツだそうである。納得。よくみると、朱塗りというより赤というほうが近いこじんまりとした社殿のなげしに掘り込んであるのは、まさしくハマギクではないか。これもめずらしい。一段下に社務所と住居を兼ねたらしい建物もあるが、誰もいないらしい。とにかくお参りして、鼻の調子が良くなるようにお祈りした。
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 さて、これからがまた大変。なんとか帰り道で花渕崎へ近づけるように降りる道を探ったが、それもなく、結局来た道を農道まで戻って、一本道を突き当たり、またむりやり山に入って踏み跡を探して辿り着いたのが、この岬である。
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 約束どおりハマギクも咲いているこには名前がないが、ここから吠崎と花渕崎の両方が見える。
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 参道にあった古い標識板に掘ってあった説明によると、「坊ヶ崎」という名が見えるので、あるいはここがそうだったのかも知れない。

▼国土地理院 「地理院地図」
38度18分2.18秒 141度5分22.76秒
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dendenmushi.gif東北地方(2008/10/15 訪問)

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タグ:宮城県 灯台
きた!みた!印(3)  コメント(2)  トラックバック(1) 
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きた!みた!印 3

コメント 2

knaito57

観光スポットとはひと味違う画像。難行苦行のご褒美でしょう。
ヒマにまかせて、なぜ“黒崎”が堂々第一位なのかについて考えました。
・黒っぽく見える岬が一番多かったから(そりゃ、そうだ)──大きな岬や長い岬、観音や弁天を祀った岬、赤や白っぽく見える岬も多いけれど、全体的に黒ずんで見えるものが多い。
・黒く見える一番の理由は光の加減による──命名者が見るのは逆光の場合が多いという地理条件の岬が多い。
・もう一つは植生が原因──むき出しになった崖の地層や岩が黒っぽいこともあるだろうが、たいていは岬を覆う樹木のせい。杉・樫・椿などの常緑樹は緑よりも黒っぽく見えるもの。
・そして、ホシは松だ!──宮城県の岬めぐりで明らかになったように、松島に松は付き物だが、逆に松は日本の岬に付き物ともいえる。「データベース」ランキング上位にある松ヶ鼻、松ヶ崎がその傍証である。
by knaito57 (2008-12-03 09:54) 

dendenmushi

@確かに。「岬に松」は付き物ということは言えますね。これがあると、なんかピタッとはまるような感じがする。日本人が昔から慣れ親しんできた、山水の世界に近いものももあります。
 近ごろよくみんなが使いたがる流行の言葉で言うところの「原風景」?
 こいういう、みんながなぜか(テレビなどマスメディアガ使うので?)こぞってやたら使いたがる言葉って、だんだんイヤになってくるので、困ったものです。
 へそまがりはいろいろと制約が多い。
 そういう意味でのみだけど、それで嫌いになった言葉にはね、最近ではね…
  「感動した」「うらはらに」「鳥肌がたつ」…
 など、もっとあったけどいま出てこない。結構使い方間違っている野も多かったり…。
 脱線した。

   
by dendenmushi (2008-12-05 10:23) 

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