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338 メカル崎=東松島市宮戸(宮城県)宮戸島の南西端でめくるめくメカルの推理 [岬めぐり]

 この“ひきこもりブログ唯一の常連コメンテーター”であるという栄誉をほしいままにしているknaito57さんから、「たくさんの島があるので宮城県の岬はもっと多いかと思ってデータベースを改めて覗いてみたら14位で意外に少なかった」という趣旨のコメントをもらっていた。
 宮城県は、海岸線がさほど長くないうえに、南側半分近くはほとんどまっすぐな浜で、岬がまったくない。それと、リアス式の島嶼部は確かに凸凹は非常に多いのだが、名前がついているのは少ないのである。
 これも、人との関わりにおいてのみ岬に名前をつける必要性が生じるという、“でんでんむしの法則その1”によるものだろう。めったに人が出入りすることのない出っ張りばかりなのだ。それに第一、こう数が多くては、とても面倒くさくて、いちいち名前などつけていられない。
 したがって、浦戸の島々もこの宮戸島も、案外に岬めぐりで訪れるべきところは少ない。最南西端のメカル崎は、その貴重なひとつなのだが、ここは波津々浦という深い入り組んだ入り江の向うで、細く断崖に囲まれた岬には道もない。そこで、月浜の丘に登って、そこからの眺めを楽しむことにした。
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 遠くかすかに、二本の煙突が見えるのは、代ヶ崎の仙台火力であろうか。とすると、背景にはるかに見えるのは、浦戸の島あたりというよりも、七ヶ浜というになるのか。メカル崎のすぐ隣の小島は無名の島で、左にずっと離れた島が沖ノ高島という。
 こうしてみると、ここも船で通る人にしか関係がないが、場所的にはやはり名前が必要な、重要ポイントであったろう。あいにく、今にも降り出しそうな空模様で、いまいち陰影がはっきりしないが、崖の岬の風情は充分味わうことができる。
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 宮戸島の道は、起伏が比較的少なく、自転車で走りやすかった。大高森の周辺は、観光バスがやってくるような観光地をめざしていろんな施設があるところで、道もいちだんと手入れが行き届いている。里浦という入り江は水鳥の立てる波が目立つほどだ。
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 島の中央部には田圃も多く、ダイオキシンがなんだという昔ながらの籾焼きが盛大に白煙をあげている。これぞ、秋の風情だ。車道もめったに車が通らないので、後から考えればそこを走ればよかったのだが、律義に歩道を通っていると、また幅の狭い網が二列に干してある。真ん中の間を自転車で通るが、たまにはちょっと踏んでしまう。
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 だんだんと走りながら観察していると、どうやら軽トラックで運んできた網を、次々に歩道に並べているらしい。
 ところで、「メカル崎」という名前だが、連想したのは関門海峡の「和布刈」であり、これは語尾の変化だけのことで同じ意味を指していると思われる。すでに岬めぐりでも訪れている関門海峡だが、この和布刈神社には、大昔宇部の叔母に連れられて行ったことがある。あれは、まだ関門国道トンネルが開通して間もない頃であった。
 「めかり」と読める人が少なくなったのか、最近では漢字を使うのはこの神社くらいだが、由緒ある神社で、松本清張はその作品のひとつ『時間の習俗』のなかで、旧暦の大晦日に海に入ってワカメを刈るという和布刈神事をトリックの舞台に使っている。
 つまり、言いたいことは、関門海峡の「和布刈」と、この「メカル」は同じ意味を表わしているのではないか、ということである。
 メカルはめずらしい言葉で、ほかにあまりない。沖縄には「銘苅さん」も多いが、これは別筋であろうし、俳句の季語に春のかえるがどうかしたというのもあるが、それも関係ないだろう。

▼国土地理院 「地理院地図」
38度19分19.46秒 141度8分20.43秒
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dendenmushi.gif東北地方(2008/10/14 訪問)

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タグ:宮城県
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