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327 大杉崎=七尾市津向町(石川県)七尾の歴史とヨサコイソーランを垣間見て [岬めぐり]

 屏風岬のところからちょっとだけ見えた大立崎と並ぶ大杉崎は、七尾港の西に大きく張り出している半島の先端にあたる。そこは津向町というが、地図で見ると道路も途中で消えてしまい、荒地が一帯に広がっているように見えるので、あるいはここも珪藻土の採取場になっているのかも知れない。
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 港の海上保安庁の岸壁から望むと、それはもう日没の中に沈んでいこうとするところであった。それを横目に港を西に歩いて、七尾フィッシャーマンズワーフまで行き、そこで夕食を取ることにした。その周りは七尾マリンパークという公園になっていて、その向うは昭和町というので、ここらは昭和の埋立地なのだろう。
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 公園に近づいていくと観光バスが何台も停まっていて、異様な風体をした人々があちこちに固まっている。バスの名前やナンバーを見ると、どうやら北海道から来ているらしい。マリンパークには、仮設の舞台が設けられていて、そこでなにやら始まるようだ。これは、いま各地で流行りのヨサコイソーランというものらしい。
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 大杉崎のシルエットが、かろうじてその向うに背景として浮かぶのが見える舞台に灯が入り、次々と各グループによる踊りが始まった。
 後でホテルに帰ってみると、フロントはテレビの撮影機材を抱えたグループで混雑している。聞いてみると、七尾では明日ソーラン祭りがあって、それに全国各地から参加する踊りのグループが集結し、その取材にきたものらしい。港の公園でやっていたのは、その前夜祭だったようだ。
 七尾は、小さいながら平山城をもつ城下町である。駅の北西線路際には小丸山公園という城跡があり、府中町、鍛冶町、作事町、大手町といった、いかにもそれらしい名の町が広がっている。しかし、もともとの七尾城は山城で、そこから南東に5キロも入った標高300メートルの山の上にあった。
 そして、ここが室町時代に守護大名として、能登に160年続いていた畠山氏の居城であったという。能登といえば、すぐ前田利家を連想するが、彼が信長から能登一国を与えられるのは1581(天正9)年のことで、それからすぐに山城の七尾城を捨てて平山城の小丸山城に移り、それからまたすぐに金沢に拠点を移している。したがって、七尾の歴史は、前田氏より畠山氏の歴史というべきなのである。
 その事績は、一般にあまり知られることがないが、応仁の乱にも参戦し、朝鮮との交易を盛んに行なった畠山氏は、文化的にもなかなか多くの資料を残しているようだ。
 それを思うと、能登の岬めぐりで最初の大迫鼻のバス停に掲げてあったポスターがもっていた、厚みと重みを改めて感じる。
 翌日は、早立ちををしてまた富山に寄ることにした。富山県で二つしかない岬のひとつを、そのまま残していくことができなかったからである。
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 まだ明けやらぬホテルの前にある長谷川等伯の像(旅立ちの様子をした像なので、彼が青年期に活躍した故郷七尾から上洛するときを表わしたものだろう)に別れをつげ、早朝の七尾線で津幡まで向かう。
 能登半島の付け根には、縦に大きく宝達丘陵という山塊があり、その北端が七尾城になるが、この尾根が石川県と富山県の県境になっている。JR七尾線は、この山裾に沿って伸びており、津幡で北陸本線と合流する。
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 今では、かほく市となっている宇野気にはコンピュータの会社があったので、その昔仕事でやってきたことがある。
 なんだかなつかしい車窓の景色が過ぎると、津幡で富山へ行く電車に乗り換える。津幡の駅には、こんなものがあった。
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 寡兵の木曽義仲が、倶利伽羅峠で牛の角に松明をつけるという奇襲作戦を敢行して、平家の大軍を破ったという有名な故事は、幼少の頃に戦前の講談社の絵本で見て、強烈な印象を残している。その峠が、この宝達丘陵の県境の山にあったのだ。
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北越地方(2008/09/05-06訪問)

▼国土地理院 「地理院地図」
37度4分1.36秒 136度57分44.37秒

dendenmushi.gif北越地方(2008/09/06 訪問)

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大杉崎=七尾市津向町(石川県)

 


タグ:石川県
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