SSブログ

301 双見ノ鼻・日附ノ鼻=呉市音戸町高須三丁目・坪井三丁目(広島県)音戸ノ瀬戸再び… [岬めぐり]

 人生には「あのときそうしておけばよかったのに…」ということは多い。しかし、そのときには、まだ自分が充分その気になっていないので、ぐずぐずしているうちにチャンスは通り過ぎてしまう。
 別に人生論をぶとうというのではなく、単にめぐりあわせのことを言っている。祖父が亡くなってから、わが家の昔のことを語れる人は広のおばあさん(祖父の妹)だけになってしまった。そのおばあさんが亡くなる前には、訪ねて話を録音しておこうと、考えてはいた。
 その頃は、一ちょう前の仕事人間で、仕事以外のことに時間をとることが、ほとんどできなかった。
 結果的には、おばあさんもいつまでも待っていてはくれなかった。
 2002年の秋にも、音戸ノ瀬戸は訪れている。そのときの記録は016 倉橋島の鼻としてあげてある。今は呉市の一部となった倉橋島の鼻を、まとめて…と思ったのだが、今回は本土側をバスでぐるりと通り過ぎるので、そこから見える範囲の岬だけ、改めてカウントすることにした。
futahi02.gif
 本土側のこの一帯の地名を「警固屋」という。「警固」という地名は福岡にもある。それは、元寇からのいわれを示すものであろうし、ここの警固屋は、船の関所の役割を残し伝えているのだろう。
futahi01.gif
futahi03.gif
 双見ノ鼻は音戸ノ瀬戸に東から入ってくる船の重要な目印にもなっていたことだろう。普通の人には想像がつかないが、船が幅100メートルの狭い水路を通り抜けるということは、大変に神経を使うものらしい。
 逆に西から来た船は、狭い瀬戸を過ぎて、双見ノ鼻が右手に見えてくると、あれを過ぎると広い安芸灘へ出ると、ほっとしたものだろう。
 岬は、そういう海上交通の重要な指標であったことは、今更いうまでもない。
futahi04.gif
futahi05.gif
 その意味では瀬戸の北側を扼する丸い出っ張りに名前がついていないのは、不自然な感じもするが、瀬戸に入る直前よりも、瀬戸は近いよと知らせる日附ノ鼻が、その役目を果たしていたのだろうか。
futahi06.gif
 日附ノ鼻という名は、なんとなく平清盛が厳島神社への航路を開くために工事を急ぎ、沈む夕日を招き戻そうとしたという伝説を連想させてしまう名前だが、おそらくそれとは関係ないのだろう。
futahi08.gif
 前回ここにやってきたのは、呉市役所からの連絡で、でんでんむし家の古い墓が見つかったことを知り、それを確かめに来たときで、ゆかりの寺を探して過去帳の記録を確認するためでもあった。それを終えて、ついでに先祖にゆかりのあったらしい清盛塚や倉橋島を歩いてみようと思ったのだ。
 仏壇とともに原爆の被災をわずかに免れた古い香典帖には、わが家と同じ名字の人の名前がずらりと並んでおり、今も同姓の人は呉に多い(比較的)。
hutahi09.gif
hutahi10.gif
 “ヤマト・ミュージアム”が中高年に人気らしいが、でんでんむしにとっては、呉は、広も阿賀も音戸ノ瀬戸も倉橋島も…まぎれもない“父祖の地”に帰ってきた、ということで、ここらの岬は、当然ご先祖様にもご存知でなじみがあったのかもしれないと思うと、ひとり胸を熱くするなにかが溢れてくるのも不思議なことである。

▼国土地理院 「地理院地図」
34度11分54.13秒 132度34分4.21秒 34度11分59.40秒 132度31分38.64秒
futamihizukeM2.gif
dendenmushi.gif中国地方(2008/07/15 訪問)

にほんブログ村 その他趣味ブログ
その他珍しい趣味へ 人気ブログランキングへ
 「299 アラメノ鼻ノ項」で、電子国土の地図で「蜻画」というのはなんだろうと疑問を呈していた。 これについて電子国土事務局に問い合わせていたところ、回答をいただき、「データ変換の際におきたエラーにより表示文字が間違って」いたということが判明。現在では「呉港」に修正されています。

 な〜んだ。やっぱりそんなことだったのか。もっと、深ーいワケでもあるかと期待したが、残念!


タグ:広島県
きた!みた!印(4)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:地域

きた!みた!印 4

コメント 2

knaito57

「あのときああしてれば」と悔いる材料にはこと欠かない拙者、豊富なケースを4つに分類してみました。(こういう作業はおたくのデータベース同様、本邦初?)
ケース1 結果的な選択ミス(日常の些事やギャンブルなど、ささやかな不運) 
ケース2 決断と実行力の不足(優柔不断、こっちのほうが後悔多い)
ケース3 甲斐性なし(そうしたくてもカネも時間も力もなくって)
ケース4 意識が十分でなかった(分別判断力のなさや若気の誤りなど)
 さて、貴殿のケースは3と4の合併症と診断され、まことに遺憾ながら処方薬はありません。しかしながら、これは誰にでも見られる人間特有の症状ゆえあまり気になさらぬやうに。
 ──などと朝からバカ言ってますが、「時間は待ってくれない」とは厳粛な事実で年長者とのつき合い方には心しています。
 音戸ノ瀬戸はホントに狭い。ジブラルタル海峡(テレビで見ただけだけど)を連想しました。
それはそうと“蜻画”はひどい。こういう意味ありげなミスはたちが悪いですな。
by knaito57 (2008-08-22 07:57) 

dendenmushi

@なるほどねえ。でんでんむしなんぞはさしずめ「ケース3」のオンパレードかもね。
 それで人生成り立って、編集されてきたのかも知れんですなあ。
 しかし、それでも後悔はしない…というのは、ひかれもののなんとやらですかな?
by dendenmushi (2008-08-25 07:55) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

トラックバックの受付は締め切りました