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290 狐崎=村上市寒川(新潟県)越後寒川笹川流れここが新潟県では北端の岬ですよ [岬めぐり]

 日本地図の日本海側をみると、“おけさおばこライン”の秋田から新潟にかけての約250キロ弱は、そう大げさなでこぼこなしに、北北東から南南西の方向に流れている。
 もう少しよく注意してみると、その南部、酒田の南から村上にかけて、わずかにぽっこりとメタボ的に盛り上がりが見て取れる。
 山形南部から新潟北部にかけてのこの海よりの地形は、400〜800メートル程度の山々が、ぽこぽこと連続しつつ断絶していて、その間を縫うようにして何本もの川が谷を刻みながら、それぞれ日本海に注いでいる。
 ついでだから、地図にその名前があるものだけを挙げてみると、北は三瀬の水無川から南は村上の三面川までの間に、次のような川がそれぞれ連携なしに、だが方向だけはほぼ北西から西向きに流れている。
 山形県:五十川・温海川・小国川・出口沢川・砥之浦沢川・早田川・鼠ヶ関川
 新潟県:法妙川・大川・間ノ内川・碁石川・勝木川・蒲萄川・脇川・今川・板貝川・笹川・桑川・無谷川・早川・大日川・普川・大川・境川
 この間、およそ58キロ。海岸には平地はなく、山からすぐ海になるが、川が流れ出す河口付近にだけ、申し合わせたように集落があり、駅がある。こういう同じ地形的特徴が長く続く場所は、本州ではめずらしいといってよい。
 海に落ち込んでいく山が、名残惜しげにか、いまいましげにか、さまざまな岩の造形を、海中に残している。
 とくに奇岩奇勝が続く南部の一帯は“笹川流れ”と呼ばれている。『義経記』にいう「名所名所」とは、これのことだろう。岬と名がつくところはないが、それは岬と岩の出っ張りを、明らかに区別しているようにもみえる。
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 JR羽越本線の越後寒川駅の南にある狐崎は、この“笹川流れ”の北の端に位置する。“笹川流れ”という名前も、そもそも笹川の水が海に流れ出すさまからつけられたものだろうが、今では一帯の海岸の景勝を示す。
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 その海岸のぎりぎりに、国道7号線と羽越本線が走っているわけで、トンネルも多い。内陸部を走ってきた345号線は、鼠ヶ関から朝日岳まで連なる県境の厳しい山を越えることを断念して、鼠ヶ関=勝木間を7号線と同居している。これが、なぜか勝木から南では、7号線が内陸へ入り、345号線が海岸を走るようになって、クロスして入れ替わっているのもおもしろい。なんとなく、“難しい仕事は部下にやらせて、自分は楽なほうをとる上司”を連想してしまった。
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 狐崎付近は345号線だが、この岬を境として、北は白砂の砂浜、南は岩礁が続く。
 岬の岩の蔭には、風雪に打ちのめされたままになって荒れた神社の残骸があり、冬のこの海岸の厳しさをしのばせる。岩の蔭に咲く赤味がかった百合に似た花は、カンゾウでもキズゲでもなさそうだが、この花の仲間はみな背丈が高くなるのに、ここのは背が低い。それだけ風も強いのだろう。
 岬の付け根の道路脇は、開けた空地になっている。ZENRINの地図がいう「狐崎キャンプ場」とは、ここのことか。
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 北海岸の砂は石英も長石もたくさんありそうなので、あるいは泣くのではないかと試してみたが、ここの砂は泣かなかった。
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 沖の日本海には、粟島が浮かんでいるはずなのに、靄で見えない。
 駅に戻って、熱く熱せられたホームの敷石に座って、電車を待っているうちに、粟島はやっとその姿を現わした。
 村上の駅で、ふと隣のホームを見ると、折畳み自転車を伴ったおじさんがいた。これはどこの自転車だろうか。BD-1ではなさそうだし、カバーの文字も読めない。それにこれは完全に折り畳めていないのか、これではちっとも格好良くないですよ、おじさん。でんでんむしも、探しているのだが、なかなかいいのがない。イギリス製の車輪のちっちゃいのを狙っているのだけれど、常に在庫切れで輸入されてこないので買えない。
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 後から考えれば、村上で降りてそれを待っていればよかったのだが、なんとなく各停で新発田まで来てみると、“きらきらうえつ”がこの後に出ることがわかった。この電車は、羽越線の観光列車で、週末に一日一往復だけ新潟=酒田間を走っている。そこで、さっそく降りて指定券を入手し、白新線(この線は通ったことがなかった)で新潟へ辿り着いた。
 どうやら、JRも羽越本線の不便さは自覚しているようで、これではとうてい観光客は呼び込めない。そこで、この電車を走らせることにしたのだろう。電車はきれいだし、観光客を楽しませる工夫もあったようだが、これも朝出て夕方帰ってくるだけで、いささか芸がない。

▼国土地理院 「地理院地図」
38度26分41.28秒 139度29分1.43秒
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dendenmushi.gif北越地方(2008/06/20 訪問)

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タグ:新潟県
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コメント 6

yamagatn

はじめまして、いきなりのご訪問ですが
ひらにご容赦のほどを
良いblogとお見受けしましたので
ささやかですがniceをつけさせて頂きます
by yamagatn (2008-07-30 20:37) 

dendenmushi

@yamagatnさん、よくきてくださいました。べつにそんな容赦もなにも、ございませんですよ。
 ありがとうございます。
by dendenmushi (2008-07-31 07:41) 

knaito57

通過しただけの“曽遊の地”ですが、山形シリーズは興味深く拝見しました。
山形も新潟も、海にそそぐ川がたくさんあるんですねえ。名前を知っているのは一つもないけれど、地図に出ているならそれなりに大きく、当然に土手があるはず。こういう土手を歩いたら楽しいだろうなあと思います。
「笹川流れ」といふのはいい言葉ですね。なんとなく湯豆腐か流しそうめんを連想しちゃうけど。
やや色が濃いですが、これはスカシユリのやうです。
by knaito57 (2008-07-31 10:02) 

dendenmushi

@さうですね。スカシユリのやうですね。花弁はそう間があいて透かしているようにも見えないけれど、丈が低い、岩場に咲く、色が赤い…といった特徴は、そのままですからね。イワユリという別名もあるやうです。
 ああ、これねえ。ちょっとみたとことでは、いずれもそんな大きな川ではないので、土手があるのは少ないかもね。
 いや、わたしもね、「笹川流れ」というのを地図で発見して以来、長いことなんだろう?と思っていたのです。事実は、流しそうめんみたいなもんだったわけで…。(笑)
by dendenmushi (2008-08-01 07:49) 

元地元住民

狐崎の写真は、敷地に立ち入って撮影されたのでしょうか?
昔は、自由に出入り出来たのですが所有者が地元の方でないことが分かり、今は許可なく立ち入る事はできません。
 これにより、神社は移転しております。
by 元地元住民 (2013-07-29 13:03) 

dendenmushi

@元地元住民さん、そうなんですか。こんなところに私有権があって所有者がいるということのほうが、非常に不思議に思えませんか。いつもそう思います。
でんでんむしの訪問時(2008/06)には、柵も何もない荒れた空き地で、岩島の上の神社は壊れていました。構築物も何もなく、道路からすぐいけいけでしたけどね。
変わったんですね。じゃ、この写真は貴重になった…。
by dendenmushi (2013-07-29 14:48) 

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