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288 波渡崎=鶴岡市堅苔沢(山形県)小波渡の南堅い苔の沢にはカモメのコロニーがあって… [岬めぐり]

 鯵ヶ崎を過ぎて、しばらくは羽越本線の線路と並んで歩くが、線路のほうは小波渡(こばと)の駅は集落に寄り添って少しだけ内陸に入る。ここでは八森山トンネルと海岸を行くのと二本の線路があるが、どう使い分けられているのだろう。小波渡から南には、さらにいくつものトンネルが連続する羽越本線は、海岸に迫った山地の中を突き抜けて走っている。小波渡のトンネルがある八森山は400メートルを超える程度で、それぞれがそう高い山ではないのだが、ぽこぽこといくつもの峰が固まって連続し、いきなり日本海へ唐突に落ち込んでいる。人間はその間にできたわずかのすき間や平地に住み着き、暮らしてきたのだ。
 波渡崎は、遠くから見るとそのことを明確に示している。
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 強い西風を防ぐために岬の突端から防波堤をつくり、その内側のわずかばかりの海沿いの平地に家がへばりつくように固まっている。国道7号線は、その集落の上をむりやり岬の斜面を削り取りながら大きく回り込んでいく。ひときわ目立つ大きな建物があるが、これは地図で見るとホテルらしい。JRの線路は次の駅の五十川(いらがわ)まで、この岬を2キロの鳶ヶ沢トンネルで越えていく。
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 途中にはカモメのコロニーがあって、わんさかと飛んで、岩の上に白いフンを盛大にまき散らしている。ひどいにおいだが、幸いすぐ近くに人家はないので、カモメのしたい放題になっているのだろう。
 中波渡というところに、バス停があった。時刻表を見ると、しばらく待てばあつみ温泉行きのバスがやってくる。そのバスを待って、波渡崎を越えてあつみ温泉駅まで行くことにした。そこまで行けば、またその先はなんとかなるだろう。
 この区間も、JRの切符はあるのだが、切符があっても電車がこなければ役に立たない。結局、鶴岡から鼠ヶ関までの36キロは、電車は乗ることができず、バスを乗り継いで行くことになる。
 中波渡の堤防は、人の背丈より高くて、海の姿は見えない。これだけの高い堤防が必要なほど、冬の海は荒れるのだろうが、いまはそれも想像がつかない。
 この付近には「堅苔沢」という字名がついている。海岸には一見不似合いな地名のように思ったが、ここから山に沢沿いに人家は延びて展開しているので、そこには苔の堅い沢でもあるのだろうか。
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 そのバス停のすぐ横に保育園があって、先生たちが広い芝生の庭に散らばっているこどもを、部屋の中に追い込んでいた。庭には、遊技施設のようなものもあるが、小山があって、さまざまな木があり花が咲いている。ふと、東京の月島のマンションの一室に預けられているこどもたちも、こんなところで遊ばせてやれば喜ぶだろうなと思ったりする。
 そんなおじさんの感傷にもキリがないが、汗もやっと引き、シャツも乾いた頃、バスがやってきたので、波渡崎を回り込んで行く。
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▼国土地理院 「地理院地図」
38度41分11.75秒 139度37分37.91秒
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dendenmushi.gif東北地方(2008/06/20 訪問)

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タグ:山形県
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