257 殘波岬=中頭郡読谷村字宇座(沖縄県)基地とリゾートの複雑かつ微妙な関係 [岬めぐり]
沖縄が本土の観光客を引きつけるようになったは、いつのころからだっただろうか。まだANAの勢力が勢いを増す前のJALがテレビのCMで、“椰子の木陰に白いビーチと青い海。日焼けしたビキニ姿の女の子。そして大きなガラス張りのような巨大なホテル”…そんなハワイもどきのイメージを振りまいてからは、沖縄の実態とは別の次元で急速に広まっていったように思われる。
それは、復帰後の沖縄の復興振興策のひとつでもあったのだろうが、本土の資本が立てたリゾート開発プランが、次々と実現していった結果でもあったのだろう。
そんなリゾート開発の生まれたビーチの多くは、主に那覇と名護の間の西海岸に集中している。
常連コメンテーターknaito57さんから、「改めてデータベースを見ると7位だった」とコメントしてもらっていたのは、都道府県別の岬・崎・鼻の数ランキングでの沖縄県のことである。沖縄は離島も多いし、本島自体にも岬は多い。なかでも、この残波岬は有名らしく、中部でのポイントになる岬といってよい。
これまで何度か本島を歩いても、中部・北部にはまだ足を踏み入れたことがなかったので、今回はまず中部へ行ってみることにした。残波岬には、沖縄残波岬ロイヤルホテルがあるので、今回はまずここを目指したわけである。
中部のリゾートへ行く観光客用に、那覇空港から出るリムジンバスがある。これに乗ると、西海岸のリゾートホテルをめぐりながら客を降ろして行く、往路はまた客を拾いながら空港へ行くことになっている。リムジンバスには大きく2系統あって、この殘波岬へ行く路線は、高速道路を一気に北上するのではなく、街の中を走るので、リムジンのコースとしては短いほうである。
街の中の道路を走っているだけだから、ほとんどはわからないものの、それでも延々と続くフェンスや広大な緑地帯に覆い隠されている米軍基地の間を、縫うように走る。
普天間・北谷・嘉手納・読谷…。それらの地名は、本土の人間にも既にニュースでは何度も聞き目にした地名である。
残波岬へ着くまでにもいくつかのホテルを経由するが、それらと基地の併存に複雑な心境になりながら、バスが行くうちに、バスは町なかを抜け畑が目立つようになる。その畑には電球がぶら下がっているので、ハウスなしの電照菊でも栽培しているのだろう。揺られること約1時間半。終点の残波岬は平たいところで、ビーチや公園などさまざまな施設もあり、周りにはぎざぎざ凸凹した岩が広がってい高い白い灯台が目立っていた。
もちろん、通りすがりに基地の間を通り抜けたからといって、ついでに問題提起するような軽いものではないが、沖縄はあくまでも、ぎざぎざとしたざらざらとした感情をわれわれに思わせる。それは、決して落ち着くことのない波が、いつまでも残って打ち寄せるように…。
▼国土地理院 「地理院地図」
26度26分25.14秒 127度42分47.25秒
沖縄地方(2008/03/06 訪問)
それは、復帰後の沖縄の復興振興策のひとつでもあったのだろうが、本土の資本が立てたリゾート開発プランが、次々と実現していった結果でもあったのだろう。
そんなリゾート開発の生まれたビーチの多くは、主に那覇と名護の間の西海岸に集中している。
常連コメンテーターknaito57さんから、「改めてデータベースを見ると7位だった」とコメントしてもらっていたのは、都道府県別の岬・崎・鼻の数ランキングでの沖縄県のことである。沖縄は離島も多いし、本島自体にも岬は多い。なかでも、この残波岬は有名らしく、中部でのポイントになる岬といってよい。
これまで何度か本島を歩いても、中部・北部にはまだ足を踏み入れたことがなかったので、今回はまず中部へ行ってみることにした。残波岬には、沖縄残波岬ロイヤルホテルがあるので、今回はまずここを目指したわけである。
中部のリゾートへ行く観光客用に、那覇空港から出るリムジンバスがある。これに乗ると、西海岸のリゾートホテルをめぐりながら客を降ろして行く、往路はまた客を拾いながら空港へ行くことになっている。リムジンバスには大きく2系統あって、この殘波岬へ行く路線は、高速道路を一気に北上するのではなく、街の中を走るので、リムジンのコースとしては短いほうである。
街の中の道路を走っているだけだから、ほとんどはわからないものの、それでも延々と続くフェンスや広大な緑地帯に覆い隠されている米軍基地の間を、縫うように走る。
普天間・北谷・嘉手納・読谷…。それらの地名は、本土の人間にも既にニュースでは何度も聞き目にした地名である。
残波岬へ着くまでにもいくつかのホテルを経由するが、それらと基地の併存に複雑な心境になりながら、バスが行くうちに、バスは町なかを抜け畑が目立つようになる。その畑には電球がぶら下がっているので、ハウスなしの電照菊でも栽培しているのだろう。揺られること約1時間半。終点の残波岬は平たいところで、ビーチや公園などさまざまな施設もあり、周りにはぎざぎざ凸凹した岩が広がってい高い白い灯台が目立っていた。
もちろん、通りすがりに基地の間を通り抜けたからといって、ついでに問題提起するような軽いものではないが、沖縄はあくまでも、ぎざぎざとしたざらざらとした感情をわれわれに思わせる。それは、決して落ち着くことのない波が、いつまでも残って打ち寄せるように…。
▼国土地理院 「地理院地図」
26度26分25.14秒 127度42分47.25秒
沖縄地方(2008/03/06 訪問)
2008-05-08 07:49
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「基地とリゾートの複雑微妙な関係」「外部によって(他者のために)つくられた実態とは別次元のイメージ」──かねがね(カネがねえ)拙者は観光客の軽薄無神経がきらいで、ハリソン・フォードの『刑事ジョン・ブック』という映画で観光客のいやらしさが露出したシーンに膝を叩いたことがあります。
これが残波岬ですかあ。文字では知っているけれど、読みは知らなかった。固有名詞は難解なものとはいえ、こちらの読みはほんとにむずかしい。先入観ゆえか、一連の画像は何となくわびしく見えます。
ついでながら、これに似た名前の女編集者が大嫌いです。草々
by knaito57 (2008-05-09 07:24)
@あの映画はケリー・マクギリスがよかったと思いますねえ。まあ、岬めぐりのでんでんむしも、ちょっと変わってはいるが、やっぱり観光客のひとりなんでね、エトランゼには違いないわけですよ。
by dendenmushi (2008-05-10 08:55)