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230 神前岬=伊勢市二見町松下(三重県)伊勢二見神前に夫婦相和し [岬めぐり]

 なにかというと、この海に浮かぶ二つの岩に縄が渡されているこの絵や写真を、よくみていたので、「二見浦」というのは、なぜか昔からよく知っていた。事実、戦前には切手の図案にもなっていたし、国家神道の中心としての伊勢神宮とくっついて、全国にその情報が伝播されたからであろう。その背景には、臣民として最小経営単位である家の基本である夫婦相和す(ただし、それは今でいうラブラブというのではなく、家長である夫に婦がほぼ無条件に従うことで成立するのを大前提にしている)ことを求める必要があったからだ。そして、お伊勢さんとセットでPRするのに、そのシンボルとして利用しやすく、極めて好都合だったとみるのは穿ち過ぎだろうか。
 神前岬(こうざきみさき)は、まさしく伊勢神宮に最も近い岬である。五十鈴川の河口から東に二見浦があり、そのさらに東の突端が90度の角度をもって、突き出している。
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 でんでんむしが、初めてこの二見浦にやってきたのは、1960年代のはじめ頃だった。それから30余年勤めることになった会社に入って数年経った時期に、賢島に一泊する伊勢路慰安旅行(この頃は社員旅行とはいっても慰安旅行とは言わないよね)で訪れたことがあった。その頃は今のような遊歩道なども整備されておらず、ただ砂浜はもっと広かったような気がする。
 以来、機会もなく、とくに行きたいという気もなかったので、今回が二度目となる。だが、前に来たときにはこの岬までは意識していなかったので、今回が初めてのようなものだ。JRの駅名で、ここが「ふたみがうら」ではなく「ふたみのうら」だったことに気がついた。だが、夫婦岩へはわざに行かないので、これは普通の観光客が撮らない、裏側からの夫婦岩の遠望。
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 駅からタクシーでまず向かったのは、大江寺。地図で見た名前が気になったからだ。
 五十鈴川の支流に沿った集落の高台にあるこの寺は、来てみると、ここは「おおえでら」ではなく、「たいこうじ」と読むのだった。なるほど、標識の一部には「大」ではなく「太」と点がついている。
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 この寺があるところは、二見町の字が「江」という。それはおそらくは五十鈴川を指しているのだろう。だとすれば、かつてはこちらがその本流であったのかも知れんな。
 支流の河口からみると、神前岬はさすがに堂々として見える。白い灯台がぽつんとある以外は、道路も建物もなにもくっついていない。神前を守る岬は、やはりそうでなければならない。
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 それにしては伊勢神宮がある伊勢の町は、なかなか雑然としていて、内宮と外宮の位置関係なども、奇妙なような気がしてならない。内宮と外宮の間を割くように高速道路を走らせるなどは、恐れ多い所業のように思える。もともと自然発生的に神社の回りに町が広がってきたという、なりゆきをそのまま示しているようでもある。
 伊勢名物のあんころ餅を、なんで大坂や東京の駅で売っていなければならんのか、それは以前から奇異に感じていたが、これは自然発生的とはいえないだろう。やっぱり、おかしなことはおかしい。おかしなことには、いつか破綻が訪れるものだ。あの事件の後、素朴にそう自分では納得していた。
 そうそう、神前岬の東面は、崎山岬のところからも、電車の窓からちらりと見えていた。こんなふうに…。
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▼国土地理院 「地理院地図」
34度30分27.87秒 136度48分33.60秒
230こうさきみさき-30.jpg
dendenmushi.gif東海地方(2007/12/18 訪問)

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タグ:三重県
きた!みた!印(4)  コメント(2)  トラックバック(1) 
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コメント 2

knaito57

確かに、しめ縄飾りの岩の画像が脳裡に焼き付いている。あれは当時の広報宣伝活動の成果なのでせうが、今にして思えば小賢しい手口とも。
二見浦が「ふたみのうら」とは発見でしたね。夫婦和合の象徴たる夫婦岩を裏側から覗くなんざ、ちょっといやらしい気も。
大江寺にはドキッとしました。日本語はデリケートですなあ。
凹凸と小島が多いこの辺りは案外“岬めぐり”の穴場かもしれない。海もきれいで歴史を感じさせますからねえ。
by knaito57 (2008-03-11 10:41) 

dendenmushi

@おもしろいのは、三重県ではここよりさらに南側だと思うのです。ただね、こっちはますます交通不便で、どうなりますことやら。
 やっぱり。脳裏に焼き付いていますか。あれについて、そういう感覚をもっているのは、ある世代なんでしょうね。
by dendenmushi (2008-03-13 08:51) 

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