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218 立馬崎=田原市小中山町(愛知県)松林の「休暇村」に泊まる [岬めぐり]

 伊良湖のホテルは、あれこれ迷わず「休暇村」に決めていた。前に南伊豆の弓ケ浜のところでも触れたかと思うが、これの前身はその昔、厚生省が国立公園などに安く宿泊できる施設をと運営を始めた「国民休暇村」である。公営の宿など民業圧迫以外の何ものでもないといえばそうかもしれないが、その当初から数か所に泊まったことのあるでんでんむしは、これが観光産業に与えた影響は小さくなく、お役所仕事としてはかなり評価していた。
 最初は全国10か所足らずでスタートしたが、その後組織も形態も変わって、今では財団法人の運営となって35か所に増えている。
 ここにはその「休暇村伊良湖」がある。一人でも断られないし、食事はすべてバイキングで過剰なサービスもないが、なにしろ気楽に安価に利用できるのがいい。そういえば、昔は申込書を郵送して許可が下りるという仕組みだったが…。

 伊良湖は突端付近に山はあるが、休暇村があるまっすぐ北北東に延びる西ノ浜一帯は、延々と平地が広がっている。その海岸線の北の端が丸く大きくカーブを描く立馬崎である。渥美火力発電所の赤白の煙突や、風力発電の風車が目立つだけで、まっすぐな道路が松林に並行して走っている。ここを自転車でずっと走っていけば気持ちいいだろう。ホテルのロビーでレンタサイクルのことを尋ねると「ありますけど今はまだ寒いですからね…」と、ずいぶん消極的な返事で、気勢を殺がれた。

 なにしろ、距離も往復すれば20キロはあるので、半日仕事になってしまうこともあって、それはとりあえずあきらめたが、あきらめて正解だった。とにかく風が強く冷たく、確かにこれではとても自転車など漕いではおられなかった。
 西ノ浜から北西側を眺めると、昨日通ってきた長谷崎の高層の建物や登れなかった羽豆岬や、船を乗り継いだ篠島が見える。そういえば、昨日の篠島で乗り継いできた船はやはり河和港からきたものであったらしい。それならば、なおいっそうのこと、河和駅でのPR不足は糾弾されるべきかも知れん。


 休暇村の利点は、広大な国有地の一部に立地しているところが多いことで、ここでも回りにはほかの建物はなにもなく、一面松の林が広がり、その中に池などの自然観察の園地もある。だが、ここでも松がたくさん赤茶けて枯れており、次々それを伐採しているようだ。

 朝の食事が終わる頃、ロビーでは“野菜の詰め放題”というサービスイベントが始まっていた。この渥美半島は、電照菊が有名だが、イチゴや野菜の栽培も盛んなのだ。地元で農園を経営する会社と提携して、段ボールに野菜をいっぱい運んできたおねえさんが二人、次々に箱を開けていく。おじさんもおばさんも、客がこぞってビニール袋にレタスやニンジンやブロッコリーなどを入れている。
 でんでんむしにもその権利はあるのだが、ブロッコリーぶら下げて岬めぐりというのもなあ。

 バスを待って田原市を北東方向へ戻ると、途中の車窓にも野菜畑が広がっている。この発電所側の平地は、あとからできた砂洲なのかと思っていたが、そうだとしても相当大昔からあった大地だったらしい。発電所の南側の浜よりには古墳もあるくらいなのだから。

▼国土地理院 「地理院地図」
34度39分40.97秒 137度4分24.28秒
218たてうまさき-18.jpg
dendenmushi.gif東海地方(2007/12/18 再訪)

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タグ:愛知県
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NO NAME

岬めぐり けふはどこまで 行ったやら (下総の土手男)
by NO NAME (2008-02-13 06:30) 

dendenmushi

@下総の土手男さん、一週間のごぶさたでした。淡路島をうろうろしてきました。もう、雪がバンバン降って、八甲田山状態…というのはかなり大げさですが、今回もまたお天気には恵まれませんでした。
 でもまあ、仕事ついでで、何か月も前からこの日に行くと決まっていたので、天気図みながら計画したわけではないので、しかたありませんけどね。
 この記録報告は、今月末くらいから…。
by dendenmushi (2008-02-13 09:41) 

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