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番外:日本全国津々浦々岬の数はいったいいくつある? 数えてみた(岬・崎・鼻データベース=その1) [番外DB]

  現在、最新データによる数え直しを行なっています。その結果は、近日中に新たな項目でアップする予定です。だいぶ岬の数は増えそうです。(2018/03/20)

  この項目のデータは、旧データです。

とりあえず、数え直しデータベースのその1をアップしました。(2018/03/22) ↓ クリックして新データへ
番外:日本全国津々浦々岬の数はいったいいくつある? 数え直してみた(岬・崎・鼻データベース2018改訂新版=その1)

 いったい日本全国に岬の数ってどのくらいあるの?という素朴な疑問は、とりあえず誰でも抱くものらしい。でんでんむしが「岬めぐり」をやっているというと、よく聞かれたのがその質問と岬の定義であり、また「岬ベスト3はどこどこですか?」といった問いであった。
 でんでんむしの「岬めぐり」では、岬の定義は、地図上で「岬」「崎」(「埼」を含む。以下同じ)「鼻」といった名前が表示されているもの、に限っている。そうしないと、名前のついていない出っ張りとなると、無数にあって収拾がつかないからである。通常は、いちいちこれを区別しないで、便宜的にこれらの総称として「岬」といっている。
 全国にこうした岬の数がどれほどあるかなどは、実をいえばまったく気にしていなかった。いくつあろうといっこうかまわないし、また“日本中の岬をことごとく完全踏破!”などという、大それた野望などは、はなからもっていなかった。ぶらり気ままに、行けるときに行けるところに行く、それでいいと思ってきたし、その基本は今でも変わらない。
 ところが、いくらヒマとはいえ、時間とお金には限りがあるので、できるだけムダな行動は避けたい。飛び飛びに行くと、何度も同じ地域に足を運ぶことになって、効率が悪い。それなら、ある地域へ行くとその辺りの岬を順に歩いて行くほうがよい。でも、そうやっていると、自ずから偏りが生じるし、なかなか行けない地域がいつまでもたくさん残ることになってしまう。やっぱり、各都道府県ごとにいくつか選んで行ったほうがいいのかな…。
 これでも、いろいろ迷いもあったりする。
 どちらにしても、地図の上でだけでも、全体像もある程度つかんだうえで、個々の岬めぐりを地道に積み重ねていきたいと思うようになった。
 そこで昨年(2007)だったか、ごくおおまかに勘定して「だいたい日本の岬は2000くらいかな。島を入れるともっと増えるだろう」という概略の結論を出していた。だが、これではあまりにもアバウトに過ぎる。「岬評論家」を自称するからには、正確なデータを把握しておいてもいい。そう考えて、まず基本データの整理から始めることにした。

 そして、いちおう「日本全国岬・崎・鼻データベース」が完成したので、ここではその統計的データの集計結果を紹介しよう。

 …そんな前振りで2008年に調べたデータを公開していたが、そこでは3,703と日本全国の岬・崎・鼻の数を報告していた。ところが、その数字が間違っていた。ごめんなさい。
 北海道の大橋さんからご指摘をいただいたのをきっかけに、ありゃ確かにおかしいわ、ということが判明。改めて検討しなおしてみると、岬も島もやたら多い九州で数字が漏れていたことがわかった。沖縄も若干修正が必要であったが、その他の地域についてはデータの修正はない。その結果、日本全国の岬・崎・鼻の数は3,735となりましたので、お詫びして訂正させていただきます。

 

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▲岬・崎・鼻データベースのつくられ方
 地図に表示されているというのを定義とするならば、元にする地図は、国土地理院に準拠したいところだ。以前は出かけるたびに、25000分の1や50000分の1の地図を買うことにしていたのだが、これも中途半端に溜まってもうどうしょうもない。ここのところは、もっぱらネット上の地図のお世話になっている。
 国土地理院がネットで提供している「ウオッちず」のサービスもありがたいのだが、これは見るたびに緯度経度画面がどんどん出てきて、地図も縦横ともスクロールバーを操作しなければならず、なにしろ見にくい。
 ネット地図のなかでは、みたところMapionの地図が、いちばん国土地理院のものに忠実であるようだし、ブラウザでみるにも操作性が最もよい。そこで、これを「岬めぐり標準地図」にしている。(これも下記リンクの通りいろいろあって、ZENRINになったためかやはりだめで、Yhoo!地図もまったく使えないし、現在の標準は国土地理院のみ。)

 数えるのは、そのいちばん細かい縮尺で、端から順にスクロールしながら、岬の名前を探し出し、拾い出して入力していくしかない。北から南へ、沿岸の凸凹をてくてく辿りながら、順々にしらみつぶしに探していく。極めて原始的・労働集約的な作業で、この年末年始の何日もかかって、やっと終わった。
 でも、楽しかったよ!

▲日本中の岬・崎・鼻の総数は3703(改め3,735)
 日本中の滝の数が2500だそうで、それよりもだいぶ多い。滝も意外にあるんだなという感じもするが、滝よりも岬のほうが多いのは、当然だろう。このうち半数近くは、島嶼部つまり島にある。これも想像していた以上に多い。島にも、離島から橋でつながって本土と一体化した島までいろいろだが、このなかには船か飛行機でもチャーターしない限り、そばに寄ることも見ることもできない場所も数多い。
 やはり、沿岸部1847(改め1,846)をできるだけ歩き、橋でつながっていて公共交通機関があるところもこれにプラスする、という方向で、今後の岬めぐりプランも考えるべきだろう。当面、本州沿岸だけは、全岬踏破を目標にしてもよいだろうか。
 “概算で2000くらいある”といっていた数が沿岸部1846に減ったのは、島のうち橋でつながっているところまで含めていたものがあり、それを厳密に島として分けたからだ。
 内陸部62というのも、思ったより多いが、これは湖沼にある岬の数である。
 地域別にみると、九州がダントツで1305(改め1,330)。これに中国・四国を合わせたこの西日本だけでも全国の岬の6割を占めることになり、岬めぐりは西へ行くほど大変になりそうだ。
 西日本に岬が多いのは、地形が凸凹しているところが多いのに加えて、とにかく島が多いからということにつきる。

 なお、沿岸部は、各地域ごとに太平洋側と日本海側に分けてみた。北海道は宗谷岬と襟裳岬のラインで東西に区切り、北方領土も調べてカウントした。太平洋・日本海どちらともいえない陸奥湾沿岸は別に集計し、四国の太平洋側は鳴門の先端から高知県の西端まで、九州の東西は、関門海峡の端から野間岬までの線で仕切り、薩南諸島や奄美諸島は東側に入れた。沖縄は、九州とは離れているので独立して勘定し、本島沿岸とは別に周辺の島と八重山諸島を離島としてまとめた。
 岬についている名前の呼び方は、やはり「崎」が1816(改め1,879)で半分を占めている。地域によって呼び方の特徴があるようで、北海道の西側では「岬」が圧倒的に多く、「鼻」は九州・中国・四国に多い。
 なお、呼び方の「その他」というのは、「先」とか「首」とかいう名がついたところで、でんでんむしがとくに「岬」に入れるのが妥当と考えたもので、今後この数はもっと増える可能性もある。(おって修正するつもり↓)

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▲最も岬の数が多い都道府県は「長崎県」で632(改め655)

 長崎県が突出しているが、これもひとえに、対馬・壱岐・五島列島など島があるためである。なにしろ、五島列島と対馬・壱岐でそれぞれ200もあるのだから、これだけでもすごい。でも、これらの岬にはどう考えてもとても全部は行けそうにない。代表的ないくつかを見ることができればよしとしなければならない。

 ここでもやはり九州・中国・四国の県が目立つのは当然であるが、北海道は大きさで、和歌山県は海岸線の長さで、東京都は伊豆諸島と小笠原諸島だけでランクイン。能登半島の石川県、三陸リアス式の岩手・宮城両県も堂々上位に。

 岬崎鼻を都道府県別にみると、北海道は岬が多く、青森県には鼻がない。一般的な傾向を見つけ出すのは困難のようだが、ひとつ確かなことは、岡山・広島・山口・愛媛・香川の瀬戸内海沿岸の県では、そろって「鼻」の数がいちばん多くなっている。でんでんむしが、最初に鼻は瀬戸内の特徴かと思っていたのは、統計的にも裏付けられたことになる。



▲岬の名前のつけ方は素朴に

 この名前の集計は、読みは無視して、字面だけでまとめている。読みは、これまたむずかしい。その土地の独特の読み方も多く、とても一般常識だけでは判読できない。
 岬名の命名の由来などは、ほとんどの場合、詮索のしようもない。ただ、これだけ同じ名前の数が多いものについては、昔の人々の極めて素朴な思考過程からつけられたものだろうということが想像できる。
 黒・赤・白と単純な色彩の印象でつけられたり、見た目の形状によっているものが多い。これまで歩いてきた限りでは「黒崎」がいちばん多いとは思わなかった。が、「大崎」は多かった。「大崎鼻」を含めれば、これが日本の岬の名前の代表的なものといえるのかも知れない。
 これは岬に限らず、山でも川でも共通する。隅田川を「大川」と呼んだのと、同じ状況があちこちにあったということだろう。
 また、「観音」「弁天」「仏」といった名には、人々の願いや信仰が一体となったものだろう。これには、この上位に続くものとして、ほかに「明神」「天神」「天狗」「地蔵」「恵比須」「八幡」「竜神」などと、たくさんのバラエティがある。
 不思議なのは「長崎鼻」「長崎」である。これが、なぜか多い。当初、これは岬が長く延びているという形状かなと考えていたのだが、必ずしもそうではないらしい。しかも、この名が長崎県に多いということに気がついてからは、よけいに混乱してしまう。
 ここまでは、単なるデータの集計結果だから、順位をつけてもとりたてて問題はない。
●さて、「岬ベスト3」はとなると…
 しかし、もうひとつのほうの質問のほうは、なかなか問題でむずかしい。knaito57さんからは“一流の岬の条件”は何かともいわれているが、何をもって「一流」といえるのか、これはなかなか困る。
 自分の主観でムリヤリという方法もないではないが、そのためにはかなりの岬を踏破したうえでなければならない。そうなると、いつのことになるやら、見当もつかない。
 へそまがりのでんでんむしは、フィギュアスケートとか体操とかボクシングとか、審判員の採点によって優劣を競う競技は、個人的にはいっさい競技としては認めていない。プロが歌を歌って紅白でどっちが勝ったかなどというに至ってはまったく論外で、これも変に「合戦」などと競技にしようとするからおかしくなるのである。(おっと、脱線)
 もし、どこかに「岬ベスト10」とかいうものがあったとしても、それも認め難い。評価の基準がはっきりないまま、そんなことをいいあったり、いいふらしてみても、どうにも意味がないことだと思うのである。
 でもまあ、ランキングではなく「わたしが行ったことのある好きな岬」くらいは、なんとかなるかもしれないが、それもいかにも締まりがない。
 これはまだ、どんなふうにやるか、「岬100選」程度なら可能なのか、それらも含めて今後の課題ということにしておきましょう。
 …というわけで、まずは基本データ編でした。
(2008/01/17)2016/05応急修正

番外DB:「Mapion」がZENRINになってしまうなんて大ガッカリだよ!!(「岬めぐり」のためのネット地図比較検討考)


タグ:全国 地図
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コメント 2

knaito57

いやあ、参った参った。恐れ入りやした。これぞ「日本国岬白書」! 情報満載のこの“国家機密”が漏洩しないよう、早速その筋から圧力がかかるのでは……。
大変な作業でしたね。これまでにないデータや分析ゆえ、マルCマークを付しておかないと情報が一人歩きしますよ。
つらつら眺めれば、さまざまな発見・アイデアが生まれる楽しいデータベース──数字にも圧倒させられましたが、私は「崎と鼻の分布」や「一位黒崎」に考え込みました。
by knaito57 (2008-01-17 10:04) 

dendenmushi

@ね、なかなかおもしろいでしょ。これまでどこにもないデータだとは思いますが、さらにいろいろ特徴など分類項目を増やして、いろいろ分析してみようと思います。
by dendenmushi (2008-01-19 08:44) 

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