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207 汐吹崎=伊東市新井(静岡県)影の伊豆東海岸では岬遊歩道の工事中 [岬めぐり]

 前回、伊東にやってきたのは、もう2年も前のことになる。その時は雨がひどく、川奈崎まではなんとか行ったのだが、とうとう土砂降りになって、やむを得ず帰ってきた。沼津からの帰途、積み残していた汐吹崎と大崎も訪ねることにした。野坂昭如  先を急いでいる冬の陽と争うように、伊豆急川奈駅で待っているはずの数少ないタクシーをつかまえるために、一番で改札を通る。汐吹トンネルのところまで運んでもらい、バスも通らない細い薄暗い道を歩く。
 もう伊豆の東海岸は完全な日陰であった。だいたい、朝東京を発って伊豆にやって来るときは、東海岸は朝日を浴びて輝いている。いつもそんな印象があるので、こんな暗い日影の東海岸を歩くことはなかった。


 汐吹崎という岬の特徴は、その名自体が説明している。強い波が打ち寄せられると、岩の間からそれが吹き上げられるような場所が、海岸の岩場にあるからである。丸くこんもりと盛り上がった岬の向こうには、手石島や初島も見えるが、岬はもう端の一部を残して影の世界に入ろうとしている。
 南側には余望島があり、そのさらに先には川奈の岬も望める。


 岬の道端では、重機が数台入って工事の真っ最中で、周囲はすべて立入禁止状態。どうやら、汐吹崎の一帯に遊歩道や公園ができるらしい。
 これができると、汐吹岩まで降りて行く人も増えるのだろう。
 北側から見た汐吹崎は、さきほど南側から見た印象が、またすっかり違って見える。その形までまったく違っていて、別の岬を見ているようだ。


 手石島を眺めながら、伊東への海岸の道を急ぐ。風が冷たくなってきた。途中からは、山の高いところを走ってきた135号線が徐々に降りてきた。振り返ってみると、伊東の町から見るなじみ深い汐吹崎の形が、シルエットになっていた。


▼国土地理院 「地理院地図」
34度58分6.96秒 139度7分39.74秒
207しおふきざき-7.jpg
dendenmushi.gif東海地方(2007/12/05 訪問)

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タグ:静岡県
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コメント 2

knaito57

「朝東京を発って伊豆にやってくるときには、東海岸は朝日を浴びて輝いている」とは、まさにそのとおり。だから日陰であるだけでまったく印象が異なるというのもよくわかります。同じ景色でも季節や天候・時刻によってずいぶんと違って見える──という体験を私も土手でよくしています。
by knaito57 (2008-01-14 10:08) 

dendenmushi

@江戸川土手からも、このお正月は富士山がきれいに見えたそうですが、ほんとに景色はそのときの環境条件によって、まったく違った姿を見せてくれます。風景は閑居そのものでもあり、当たり前といえばそうなのだけれど。
 knaito57さんのご意見もあったので、全国岬のベストテン…とまではまだいかないけれども、とりあえず、岬の基本データをまとめましたので、次回に公表します。
by dendenmushi (2008-01-15 08:09) 

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