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193 堂崎鼻=稲敷市古渡(茨城県)ただ六字名号を念仏すべきものなり [岬めぐり]

 佐原の観光協会で借りたレンタサイクルは、土浦のとは違って変速機のついていない、いわゆるフツーのママチャリだった。この日は,朝からずっとこの自転車に乗りっぱなしで、佐原から水郷大橋で利根川を渡り、茨城県と千葉県の県境をなす横利根川に沿って北上し、妙岐ノ鼻からここ堂崎鼻までやってきた。この間約23キロ。ここからまたほぼ同じ距離を佐原まで戻って夕方の4時までに自転車を返さないといけない。往復43キロの行程のほとんどは,稲敷市の中をぐるっとひと回りしたことになる。
 このコースで最後の目標となった堂崎鼻は、江戸崎のそばを流れる小野川が霞ヶ浦に注ぐ河口の、はじっこにある。葦の茂る小さな出っ張りだということはわかるが、踏み入ることはできない。広くなった河口の向こう側は、稲敷郡美浦村の大山あたりで、ちょうど稻荷ノ鼻が見えている。

 確かに見えているはずなのだが、なにぶんにもただ平べったいだけの地形では,目印になるものがなにもなく、出っ張りも正面から見るとそれとわからぬ。

 ここには、霞ヶ浦の植生回復と水質浄化のための方法と努力をアピールする看板や、アサザ基金の立て札も立っている。稲敷市の中心である江戸崎市街地に近いところだからなのであろう。

 が、それよりも堂崎鼻では、なんといってもこの背丈よりはるかに高い石碑が印象的である。
 その周囲だけ藪が払わられているので、ただ放置されているというわけでもなさそうである。

 しかし、なんのいわれが掲示してあるわけでもなく、ただ立っている。気になるので、土手を降りてそのそばまで行ってみるが、わかったのは、この石碑の正面が、霞ヶ浦というよりどちらかというと河口を向いていること、そこには「南無阿弥陀仏」と六字名号が大きく刻まれていること、横や裏にもぎっしり文字が刻まれていたらしいがそれはまったく判読できないこと、かなり古いものであるらしい、ということだけであった。
 墓でもないし慰霊碑というわけでもない。これは、六字名号を称え唱えるためだけに立てられた、名号塔なのであろう。

 どうも気になったので、帰ってきてから調べてみたが、市でも稲敷市観光協会でもなにもふれられていない。ほかに何の情報も得られなかったが、そこでの新発見!
 稲敷市は、あの「ゴールデンゴールズ」の本拠地だった。それでか。あちこちに貼りだしてあった防火か防犯か交通安全か、なにかそんなようなポスターに、若い女性野球選手の控え目な笑顔が使われていたわけが、やっとわかった。
 野球とは関係がないが、ここ稲敷市だけでも、なんと9つものゴルフ場がある。防衛省の親玉からそこいらの小玉まで、みんなそろってゴルフが大好きらしい。あれもいささか常軌を逸しているとしか思えないねぇ。ふとそんなことを思ったのは、昔ちょっとした縁があった会社のブランド名をつけたゴルフ場が、ここにあったからだ。いま思えば、バブルの間に咲いたあだ花だったが、ゴルフ場だけはまだ残っているらしい。
 ゴルフ客のためというわけでもなかろうが、小野川には新古渡橋という古いのか新しいのかわからない大きな橋が架かっているのに、そのすぐ下流にもうひとつ新しい大きな橋を架けている。いつからやっているのか知らないがその工事の最中で、迂回して走る。地図では川で道が途切れたようになっていたので、なんでだろうとおもっていた所だ。その工事現場も、どことなくのんびりしていて、小野川の流れのようにゆったりと時が流れているようだ。

 新古渡橋からは125号線の大きな道で、交通量も多い。のんびりとは走れないし、ゴルフ場の間を走る道はアップダウンを繰り返すので、ママチャリはちょっとしんどい。この道を幸田まで出て、そこから新利根川をしばらく東行、それから南へ下って利根川沿いに佐原まで戻る。

▼国土地理院 「地理院地図」
35度59分15.51秒 140度21分16.14秒
193どうざきはな-93.jpg
dendenmushi.gif関東地方(2007/11/23 訪問)

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タグ:茨城県
きた!みた!印(6)  コメント(2)  トラックバック(0) 
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コメント 2

knaito57

ついに佐原──伊能忠敬が防水工事の指揮をとったという辺りじゃないですか。ママチャリで砂利道を43キロとはねえ。今まで数多い岬めぐりでも指折りのハードさではないですか。さぞ尻が痛くなって手先がしびれたでせう。南無阿弥陀仏
by knaito57 (2007-12-11 14:42) 

dendenmushi

@やっぱり自転車も、長時間はなかなかハードです。けれども、それも、道とコースにもよるので、自動車といっしょに走るのは、すごく疲れます。
 利根川べりを専用道路で走るのは、気持ちよかったけど。
 レンタサイクルは、お尻が痛い。確かにそうです。こんどから、空気でふくらませる座布団とか、そういうのが必要かもね。
by dendenmushi (2007-12-13 08:11) 

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