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174 磯崎=ひたちなか市磯崎町(茨城県)白亜紀は遠い遠いかなた [岬めぐり]

 「磯崎」と聞いてこの岬の名を思い浮かべる人は、まずあるまい。昔の国鉄総裁や建築家にそういう人がいたよな、というのが普通である。これでも、茨城県の海岸ではかなり目立っている出っ張りのはずなのだが、北隣の阿字ケ浦やひたち海浜公園ほど知られてはいない。
 それも道理で、港のテトラポットに覆われた防波堤が、いまやそのなれの果てで、岬らしいところはどこにもない。その名前だけは、港や町や駅の名として残ってはいるけれど…。

 常磐線の勝田で降りて、すぐ隣にくっついている小さなホームから出る茨城交通湊線の電車に乗って、終点のひとつ手前が磯崎である。このローカル電車も、当初は那珂湊と国鉄を結ぶ重要な路線だったのだろうが、例外なく赤字路線で廃線の危機に直面しているらしく、「乗って未来に残そう」という応援の紺色の幟が、どの駅にもはためいている。
 写真部門のテッチャンらしい若者が、途中途中で降りながら写真を撮っている。確かに、この沿線には一直線に延びる線路など、魅力的な風景もあるが、風景では電鉄経営も成り立たない。

 磯崎の駅から、住宅街の中を港を目指していくと、ツバキのトンネルの参道が見事な、深い森に包まれた神社がある。その前の小山に上ると、水戸藩主の誰やらが絶賛したという景色を眺める展望台があるが、いまではそこからの磯崎の眺めもさほどとも思えない。

 港の南の台地には白亜の灯台もあって、その周囲にはホテルやらいかにも“税金使って建ててみましたが、諸般の事情で廃業してます”みたいな半廃墟になった施設が並んでいる。そのホテルの案内標識を道を歩いていて見つけたときには、“ご休憩4000円”のホテルかと思っていたら、なんと結婚式場もあり、送迎バスも2台も停まっている。その前には、温泉のスタンドもあった。話には聞いたことがあるが、温泉スタンドの実物をみるのは初めてだ。

 後で考えれば、このホテルで聞いてみたほうがよかったのだが、この先にはホテルの名の由来となっている、白亜紀の地層かなにかが見えるところがあるはずなのだ。それが、駅にも道にも、海岸をあるいてみても、どこをみてもなんの案内板のひとつもない。湊線の車内の路線図の隅にそんな表示があったので知っただけなのだが、人に聞こうにもあたりにはネコの子一匹いない。
 道路脇に崖が露出したところがあるので、おそらくはここがそうなのだろう。

 いくらジュラ紀や白亜紀や三畳紀に(もちろんカンブリア紀もですが)興味があるといっても、そこはシロウトの哀しさ、ちゃんとここがそう!と標識ぐらいつけておいてくれないと、これじゃさっぱりわからないではないか。
 ひたちなか市は、そういうことにはあまり関心がないのか。それとも、この白亜紀の地層(念のため、地層かどうかは不明)自体が、たいしたことではなく、ど〜でもいいことなのか。いまではどこでも町おこしなどに熱心ななかで、この状況はちょっと意外というか、こうまで見事に無視されているのが軽い驚きだった。(もうひとつ。白亜紀の地層はこの場所ではなく、もっと別の場所であった!、という可能性も。これはあり得る。その場合も、間違いやすいところにはちゃんと“白亜紀はこちら→”と、立札くらいはあってもいいんじゃ…。)
 不得要領のまま、畑と住宅が入交じる間を駅に向かう。畑は、サツマイモ畑が多い。これはここらの名物らしい。
 その葉と茎をみると、われわれがよく知っている種類とは違う。ムラサキイモかなにかのようだ。

▼国土地理院 「地理院地図」
36度23分3.50秒 140度37分25.13秒
174いそざき-74.jpg
dendenmushi.gif関東地方(2007/10/13 訪問)

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きた!みた!印(3)  コメント(6)  トラックバック(1) 

きた!みた!印 3

コメント 6

knaito57

「廃線の危機」に瀕する小鉄道というのはずいぶんあるものですね。私は鉄道マニアじゃないけれど、ローカル色ゆたかな単線電車が好きなんです。地元の流山電鉄もそうですが、つくばエクスプレスに客を奪われて(予測された)危機だといいます。“岬めぐり”の姉妹編としてこういう路線を特集していだだけませんか。
これは干し芋(東京では乾燥芋と呼んでいました)にする種類ですね。干してもねっとりと腰があって甘いやつで、粗食好きの私の好物です。
by knaito57 (2007-10-29 16:12) 

dendenmushi

@ありますねえ、それは。地方の公共交通に関する限り、明らかに昔とは後退しています。それもこれも、車のせいなのでしょう。今日の日立電鉄は、すでになくなっていて、バスしか残っていない。
 まあ、姉妹編はわたしなどがやるまでもなく、「廃線」「電車」関係はもうたくさんの人がやっていますから…。
 乾燥芋ですか。なるほど。
by dendenmushi (2007-10-30 09:21) 

日立人

案内板。
そうですよね!
それくらい作るべきですよ!

ちなみに白亜紀の地層は海岸にある、岩の層です。

一枚目の写真がその場所かな?

奥に見える斜めになっている岩が白亜紀の層だと思われます。

しかし、興味深いブログですね!

面白いです。

by 日立人 (2008-05-26 09:19) 

dendenmushi

@日立人さん、おはようございます。174の「白亜紀は遠い遠いかなた」へのコメント、大変ありがとうございました。
 海岸の岩がそうなのですか。それは気がつかなかった。てっきり道路際の地層がそうだとばかり思っていました。というのも、電車の路線図にあった絵が、そんなふうに書いてあったからなのですが。
 でんでんむしの岬めぐりに興味を示して、面白がってくださる方がある、ということは、非常にうれしいです。滅多に亡いことなので…。
 日立人さんの地元?日立の岬はひととおり上げてあります。ぜひまた、ご意見ご感想、こりゃ違うぞという突っ込みやら、いただければありがたいですね。
 それと日立人さんのリンクも。
by dendenmushi (2008-05-28 07:39) 

とも〜る

ここもチェックです〜^^
ホテルニュー白亜紀っていうすごい名前のホテルがあるんですねぇ。
地図を見た限り、そのホテルのすぐ横に磯崎灯台がたっているようですね!
それにしても、でんでんむしさん、すごいです!!
行きたい岬の名前で記事検索したら、全部ヒットしました^^
まるで「岬事典」を見ているかのようです!
ほんとに素晴らしいブログですね☆
by とも〜る (2009-08-26 23:14) 

dendenmushi

@とも〜るさん、そんなにほめてもらうと、豚も木に登っちゃいますよ。「岬事典」は狙ってます〜。(^^;

そーなんです。すごい名前ですよね。磯崎灯台は、ほんとにホテルの隣という感じです。あまり登らなくていいので楽ですが、とも〜るさんの好きな「岬と灯台」という構図は、ちょっと撮りにくい。

日立人さんのように、ご存知の方から教えてもらえるのはありがたいし、とも〜るさんのように、たまにおだててくださる方があると、やめられなくなってしまいます。あとには引けない、という感じで…。
by dendenmushi (2009-08-28 06:23) 

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