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158 葦毛崎=八戸市大字鮫町(青森県)地理院地図が載せていない岬にカンゾウの花咲き乱れ [岬めぐり]

 ノ戸ノ戸の町が続く青森県の東南部は、決して馴染み深い土地とはいえないが、ここに降りるのは三度目。いちばん最初に来たのは、もうかれこれ20年も前のことだろうか。そのときは尻屋崎からの帰りで、蕪島のウミネコを見て鮫の駅から八戸線を種差海岸へ向かったので、その行程ではすっ飛ばしていた葦毛崎へ。
 この岬は、なぜか地理院地図にもMapionにも記名がない。だが、これを無視しておくわけにはいかない。それに、灯台のほうにはちゃんとその岬の名前がついている。
 ここからはもう、東北東海岸のリアス式海岸につながる北の入口といってもいいだろう。青森県の太平洋側ではここが南端の岬になる葦毛崎は、オレンジ色の花が自生しており、岬じゅうに咲き誇っていた。あまり自信はないが、キスゲではないのでこれはカンゾウの仲間だろう。(…と勝手に決めているが、実際はどうなんだろう。)

 岩と波のせめぎあい、時に戯れあうような景色が、雄大に広がっている。これが種差海岸につながり、リアス式海岸につながっていく。あたりに人家が見えないだけに、原初の自然のエネルギーを感じさせてくれるような気がする。

 地名考にはあまり深入りできないが、思いつきの感想では、「葦毛崎」というのは、ここらには馬が放牧されていたからなのだろうか。もしかすると南部馬の関係もあるのか、この付近にはいまでもいくつかの牧場がある。そのひとつの垣根に沿って、未舗装の狭いデコボコ道を入って行ったところに、鮫角灯台がある。

 実は最初に目指したのこの灯台だった。ここへ登れば、葦毛崎が一望できるのではと思ったのだが、この灯台は登ることもできない。日本全国数ある灯台のうち、一般人が登ることができるのは、数えるほどしかないのだ。せっかくやってきたが、ここからの展望は薮の中でまったくきかない。灯台の背は高く、それに比して周囲の空地が狭いので、ぎりぎりまで下がっても、灯台と看板の全体を写真に収めることができなかった。

 「鮫」という駅名もおもしろいが、やはり鮫が獲れていたのだろうか。(…と書いていたら、るみっちさんからのコメントで「むかーし昔、鯨漁も盛んでしたよ」とのこと。やっぱり。)駅の階段にはかわいらしいサメとウミネコとイカが描かれていた。蕪島のウミネコも相変わらずで、我が物顔だった。この頃では、蕪島は繁殖地というよりも定住地化しているらしい。

 八戸は、高層ビルこそないが、かなり大きな広い市街地をもつ街である。鮫にも漁港や魚市場があるが、漁業基地としてもさることながら、近年ではやはり東北の海の玄関口としての港湾が北へ延び、それにともなって、街も広がってきたのではないか。三沢やむつ小川原などの工業地化とも密接につながっているのだろう。
 タクシーで鮫に戻る途中で、八戸水産高校とかいう看板があった。が、運転手さんの話ではそれはもはや看板だけで、水産高校はむつ大湊のほうに移転したのだという。なんでも、水産高校の生徒も減少するなかで、ここに通っていた生徒の多くは、下北からやってきていたので、それならと学校のほうが下北に移転することになったらしい。
 サメも獲れなくなって、漁港から工業港へと変身してきた八戸港の様子がしのばれる。

▼国土地理院 「地理院地図」
40度32分20.75秒 141度34分48.68秒
158あしげざき-58.jpg
dendenmushi.gif東北地方(2007/06/26 訪問)

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タグ:灯台 青森県
きた!みた!印(5)  コメント(4)  トラックバック(2) 
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コメント 4

knaito57

ほんとに一帯が「ノ戸、ノ戸」ですねえ。気になって調べたら戸とは“かまど”の意味だとか。このところよくニュースに出るので「行った、行った」と自慢しています。へっへへへ……。戸来とかね、『成吉思汗の秘密』を思い出します。深入りできないとおっしゃるが、葦毛崎と南部馬のつながりは濃厚ですよ。
おなじみの五日市、四日市のたぐいも各地にありますが、私は八日市なんです。そこに先祖の足跡がありかつて訪れたことなど、7月29日の記事をきっかけに懐かしく思い出しました。岬にかぎらず地名には当て字が多いですが、それでも歴史につながるヒントがどこかに隠れている面白さを感じます。
by knaito57 (2007-09-20 13:11) 

蒼猫

はじめまして。
鮫では、むかーし昔、鯨漁も盛んでしたよ。
蕪島を知らない友人を連れて行ったとき
うみねこの多さにびっくりしていました。
それでは。
by 蒼猫 (2007-09-20 18:03) 

dendenmushi

@ニュースにでる地名で「行ったあ」ということは、よくありますね。問題は、そのニュースがろくなことではないことが多いこと。この葦毛崎の南は、八戸市と離れて階上(はしかみ)町になるのですが、ここでも無残な事件があった…。
「南部馬」よりも「南部駒」というべきなのでしょうかね。ただ、牧場では実際に馬がいたのか牛がいたのか、確かめることはできませんでしたけどね。
戸来もそうですが、この東北北部には、「日本中央」だとか、ヘンなものがいっぱいあって、おもしろいんです。
そうか。knaito57さんの先祖は、八日市なんですか。7/29に行った時は仕事だったので、ほかをうろうろできなかったのですが、五箇荘とか、古い街道筋があって、その辺りを歩いてみたかったのです。
by dendenmushi (2007-09-21 07:09) 

dendenmushi

@るみっちさん、おはようございます。よくいらいっしゃいました。ほんとに、あの蕪島のウミネコには、ちょっとビックリしますよね。
やっぱり、そうでしたか。サメもねえ。いまはイカのようでしたが。
るみっちさんのコメントをいただいたので、ちょっと補筆しました。
by dendenmushi (2007-09-21 07:13) 

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