135 黒津崎=国東市国東町小原(大分県)仏の里に来て仏を見ず [岬めぐり]
台風で刺激された梅雨前線が、湖東地方に強い風雨をもたらした日、仕事でやって来ていた野洲・八日市から、今度は同じ仕事の流れで大分空港へ飛ばなければならなかった。JRも一部で不通区間が出てダイヤも乱れており、予定通りに大阪空港へ着けるかさえ心配だったが、なんとか無事に空港へ着き、飛行機も予定通り飛んだ。大阪=大分という路線では、その飛行機が今どきではローカルでしか飛ばなくなったこういうかわいらしい飛行機だった。
小さい飛行機の狭い機内では、全体がよく見える。離陸間際に、一番前の席に座ろうとする有名な政治家の姿があった。政治を劇場化して緊急の政治課題をはずし争点を矮小化してずらしてしまったが、その結果選挙では大勝し、気に入らぬ反主流派を追い出してしまうことには成功した前首相のせいで、追い出されるほうになってしまった人物の一人である。
名前が似つかわしくないほどには騒々しく、個性的な保守政治家らしい人であったが、政権党を追い出されてからは、なんだか妙に“いい人っぽく”見える。ちょうど、選挙が公示されたところで、遊説に回るところらしい。
国東半島は、その政治家と同県出身者であるでんでんむしにとっては、これまた近くにいながら行く機会がまったくなかったところで、大分空港ともども初体験である。
飛行機は空港の北側から着陸態勢に入り、姫島を見ながら独特の山ひだとその合間の田畑の溝が幾筋も海に流れる光景を飛ぶ。これが国東なのだ。
この頃では、飛行機の離着陸時に使用が規制される「電子機器」の範囲がやたら広くて、デジカメも使用禁止になる。そこで、そういう写真が撮れない。やっぱり“フイルム付きレンズ”ではなかった、“レンズ付きフィルム”くらい持ってないと…。
仕事で訪問したのは、ソニーのテクノロジーセンターで、これがなんと空港の北寄りに位置する黒津崎にあるのだ。これはラッキー、というべきなのだが、仕事のほうは自分一人の勝手には行動できない。やっとどうにか、雨に煙る黒津崎を、ソニーの敷地から眺めることができた。雨粒がカメラにかかるのを手でよけながら、どうにか…。
ソニーでは、この黒津崎につながる敷地の海よりの一部を、公園として一般に完全開放している。それらの整備も、社員のボランティア的な活動によるものだという。日本の企業も、そういうことができるようになったというのがすばらしい。
当然、せっかくここまで来たのだから、仕事が終わったら一行と離れて、こころゆくまで国東半島の岬めぐりをする当初からの計画だった。
ところが、大型の台風が九州南部に接近している。その影響はすでに大分にも及び始めていた。
結論からいうと、ソニーの人が自慢する「ブッダ・フォレスト・ビレッジ=国東」は、たくさんある半島北部の岬めぐりとともに楽しみにしていたのに、まったくの計画倒れに終わってしまうことになった。
33度32分33.33秒 131度44分38.52秒
九州地方(2007/07/13 訪問)
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