123 愛逢岬=賀茂郡南伊豆町中木(静岡県)バス停と売店だけの名前 [岬めぐり]
海からは遠い道を、ひたすら三ッ石岬を求めて歩いてきて、やっとそれが見えたところも、やはり「岬」だった。
しかし、そこは地形的にはそれほど岬らしいというわけではない。ただ、136号線がカーブしているところに東海バスの「愛逢岬」というバス停があり、駐車場と展望台をもつ売店が一軒だけあって、その売店の壁には、大きな字で「あいあい岬」と書いてある。
地図には、バス停の表記があるきりなので、ここはどうみても国土地理院が認めた岬ではないらしい。しかもその名前からしても“いかにも”なので、“つくられた岬”のわかりやすい事例のひとつなのだろう。
たとえそうであっても、ここからの眺めはなかなかすばらしい。
とくに、長いこと海から離れたところを延々と歩いてきて、ついにひさしぶりに海を見たところであってみれば、なおいっそうすばらしさが増す。
伊豆西南海岸の特徴といってもいい、崖が高く切り立った緑の大小の岬が連なり、岩礁や小島が青く深く澄んだ海に浮かんでいる。目の前の比較的大きな島には「大根」、三ッ石岬のほうを望む北西側の島には「君掛根」という名前がついている。「大根」は巨大な岩の塊という感じであたりを圧している。「君掛根」には、大きな洞窟のように見える黒い穴もある。
石廊崎は、もうすぐだ。
34度36分25.78秒 138度49分38.43秒


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ほんと、“いかにも”“つくられた岬”らしい名称ですね。多少の誘致効果はあるかしれないが、マイナス面のほうが大きいのでは……やはり由緒由来が感じられる地名がいいと思います。私の伊豆体験はまことに乏しいのですが、ここ一連の記事を拝見するたび「けわしい崖線が海岸に沿ってつづく」「海側から眺めれば絶景ながら陸上からのアクセスは困難」という西南伊豆特有の光景を思い起こしています。
by knaito57 (2007-07-03 08:01)