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122 三ッ石岬=賀茂郡南伊豆町入間(静岡県)海岸までは遠い道 [岬めぐり]

 「伊豆西南海岸」とMapionの地図には特別表記がしてあるので、ここらは景色の美しいスポットとして、認められているのだろう。吉祥から石廊崎まで、10キロくらいはありそうだが、三ッ石岬というこの海岸の中央に突出している岬が見えるところまで、とにかく歩くしかない。
 もう夏だ。まだ朝日なのに、日差しが焼けつく。日焼け止めを買ってこなかったのは、失敗だった。
 道は広いきれいな自動車道だが、車はたまにしか通らない。箱根駅伝ではセンターラインは越えてはいけないらしいが、ここではカーブのたびに斜めに最短距離をとって右へ左へ進路を変える。だが、そのうちにそれよりも日陰のあるほうを優先するようになる。
 途中の山の間に差田という集落があり、そこで道が分岐しているので、この間に二つしかない信号機もある。農家の畑にはいずれあやめかかきつばた。観賞用か繁殖用か販売用か、どういう目的で栽培しているのだろうと思う。

 トンネルを抜けると、入間の浜へ降りる入間口のバス停があった。その下には、すでに廃業してずいぶんになるらしいペンションの大きな建物があって、看板がむなしく立っている。確かに二階からは海が見えるのだろうが、誰が見てもこんなところにペンションなど建ててみても、うまく経営が成り立つとも思えないような場所なのだ。これもまた、それをそうとは思わせないようななにかがあった時代、ここでペンションをやれば絶対儲かるぞと、誰かがそそのかして、どこぞの銀行屋が貸し付けて、どこかの誰かがその気になってしまった、その負の遺産なのだ。
 ここから入間の港に降りれば、三ッ石岬は見えるだろうか。地図で確かめると、どうもそれは無理のようだ。途中まで降りかけたが、港が遙か下に見えるところまで降りて考えた。時間や結果を総合判断すると、ここは入間まで降りてもむだなだけのようだ。それよりもこの先の中木を過ぎたあたりからのほうが確かに見えるのではないか。三ッ石岬は、伊豆西南海岸の中心にありながら、道がないためにそれが眺められるスポットは限定されるのだ。

 廃墟になりかけているペンションの上にある、入間口のバス停に掲示されている東海バスの時刻表を見ると、しばらく待てば10:01に中木に行くバスがある。ではこれでとにかく中木まで行ってそこからまた歩くことにすればいい。
 そう思ってしばらく待つことにしてみたが、時刻表に明記してある定刻を5分過ぎても10分過ぎても、いっこうにバスはやってこない。さすがに15分過ぎたところで、待つのをあきらめて歩き出した。こんなことなら、さっさと歩いていれば、いまごろはもう着いていたかもしれない。たとえわずかな距離と時間でも、バスをあてにして裏切られた、あの時刻表はなんだったのだという思いが、疲労感となって重くのしかかる。
 中木を越えてだいぶ歩いたところで、やっと海岸の景色が見えてきた。大きいダイナミックな海岸の風景である。手前の無名の岬や島の間の奥に、三ッ石岬がちょっとだけ見える。

▼国土地理院 「地理院地図」
34度37分24.14秒 138度47分40.86秒
122みついしみさき-22.jpg
dendenmushi.gif東海地方(2007/06/08 訪問)

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タグ:静岡県
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