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114 恋人岬=伊豆市小下田(静岡県)つくられた岬のつくられた名前 [岬めぐり]

 伊豆は、平安の都人から見れば、政治犯などを流すのに適当な場所であったが、今では首都圏からちょっと離れて、リゾート気分が味わえる場所として、訪れる人が絶えない。この半島は結構大きくて、これまで何度もきているのにまだ行っていないところがあった。西伊豆の戸田以南、南伊豆の石廊崎以西は、なかなか行く機会がなかった。今回の岬めぐり伊豆編で、やっと初体験なのであった。
 何度か行った戸田までは、沼津から船で行った。確かその船が松崎まで行っているという記憶があったので、今回も船で…と思ったが、なんとこの西伊豆の航路は廃止になっている。そのくせ、インターネットで検索すると、時刻表だのなんだのいっぱい載っている。せっかくの航路を放棄するような会社であれば、そんな余裕がないということも考えられるが、こうした時刻表・運行表などのインターネット情報の更新は、企業の責任として行なうのが当然であり、廃止した航路の時刻表をいつまでもネットにのっけておくべきではない。過去の経緯を示す情報として残したいなら、「この航路は◦年◦月から廃止されています」と、まず明記してほしい。
 移り変わりは、いろいろなところで激しい世の中だが、町の名前もやたら変わっている。三島から電車で修善寺まで出て、そこからバスに乗り換えることにしたのだが、海岸線を持たない途中の伊豆長岡のあたりは「伊豆の国市」というけったいな名前になっている。だが、それも古には「都から伊豆の国へ流される」というイメージを残したかったのだろうか。その南には修善寺や土肥、湯ヶ島などの温泉地をもつ「伊豆市」が隣接している。

 今回の伊豆編岬めぐりでまず最初に目指したのは、この伊豆市の南端に位置する「恋人岬」である。その名前からして、いかにもあやしいが、実際もそのとおりで、ここは国土地理院の地図では、そんな表記はなにもない。
 だが、一応ネットでみることができる地図の中では、いちばんマシでいちばんまともな地図であるとでんでんむしが思っているMapionを標準にすることにしているので、それにしたがって岬にカウントする。(地図に関しての記述は、訪問時のもので、2018年現在では標準地図にしている地理院地図では、「恋人岬(廻り崎)」と表記されている。)

 東海バスも、バス停の名前は「恋人岬」としていて、これを公認しているようだが、地名でも字名でもある訳がなく、つくられた岬のつくられた名前にすぎない。
 どちらが先でどちらがまねしたのか、そんなことはどうでもいい。先の新潟編でも同じ名前の岬があったが、それは地図上にもちゃんとした岬の名称があって、それを観光業者が通称してつけたようだが、こちらはもともとなにもないところにむりやりつくったようだ。それは、岬の突端まで行く通路にも現れていて、道なき斜面に歩道を組んでその行き止まりに展望台を設けてある。これは大変な努力であって、実になかなかご苦労なことではある。

 例によって、鐘がぶら下がっており、入り口に近いところには恋人たちのプレートもたくさんに並んでいるが、こういう客寄せの努力がなければ、誰もこんなところまできて、こんな景色を眺めることもできなかった。それだけは事実である。

▼国土地理院 「地理院地図」
34度52分5.79秒 138度45分15.94秒
114こいびとみさきまわり-14.jpg
dendenmushi.gif東海地方(2007/06/07 訪問)

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タグ:静岡県
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きた!みた!印 1

コメント 2

NO NAME

石廊崎なら知ってる、戸田も行ったことある、なまこ壁の松崎も……いくら出不精でも、永いこと東京に住めばけっこう伊豆体験があるもので自分でも感心しています。で、そのつどの記憶の断片をつなぎ合わせてもつながらないのが、松崎の入江から海沿いに石廊崎に至る地点。下田から行っても沼津から行っても、あきらめて引き返す地点。岬めぐりというのは大変ですね。
by NO NAME (2007-06-12 07:26) 

dendenmushi

@NO NAMEさん、同じですね。そう、西伊豆も松崎から先へは、なかなか行かないですね、普通。
明日から、このコースをずっと岬を巡りながら下って行き、ぐるっと一回りしてきますので、どうぞお楽しみに…、
…というほどではないのですが、しばらくのあいだ、よろしくおつきあいくださればありがたいです。
by dendenmushi (2007-06-12 09:13) 

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