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105 久須美鼻=倉敷市大畠(岡山県)鷲羽山も東端のここは松の岬 [岬めぐり]

 鷲羽山は、瀬戸内海の風光を象徴する名所の代表格に数え上げられてきたが、これまで一度も行ったことがなかった。その名の由来であろう、鳥の翼の先端のようにちょっと反りながら突き出している小高い山でできた岬は、その麓までは下津井や児島の町が迫っているが、先のほとんどは広く松林に蔽われている。

 久須美鼻は、あたかもかぎ爪でも隠しているかのような鷲の羽の先端に位置する。
 弘法大師ゆかりのお堂があるあたりが岬の先端だが、大きな松の枝に遮られて展望はきかない。海岸線には道はなく、降りることもかなわないし、南の砂浜から回り込むこともできない。ただ、かなり高いところから眺めるだけしかない。
 釜島・松島という目前の島との間にある狭い水道を、大きな船が行き交う。こっちは児島港への航路なのだ。

 鷲羽山全体は、道路と展望台と広い駐車場といくつかの建物以外には、自然が保たれているようだ。けれども、そこから見える瀬戸内の景色は、瀬戸大橋によってかつてとはまったく違ったものになっているのだろう。
 橋は橋で、人工の美を演出しているという見方もできるので、いちがいにそのよしあしに短絡もできないが、少なくとも緑川洋一などの写真で見た島影の風景は昔日の面影とは異にするようだ。
 どんよりとした雲がたれ込め、雨もぽつぽつというあいにくのお天気で、いっそうその感を深くした。帰りの児島駅で電車を待っていると、ホームの柱と屋根の間に、曇天にけぶるようにして、鷲羽山と久須美鼻が見えた。

 岡山駅から電車でここにやってくるには、児島までJR瀬戸大橋線に乗った。大橋の開通とともにできたこの線は、宇野線から分かれるとトンネルばかりである。
 岡山駅はいくつもの鉄道が交差する、複雑な駅である。そのなかで、新参者である瀬戸大橋線の、しかも四国を結ぶ橋を渡ることのない各駅停車のホームは、11番線という10番線のさらに先に、とってつけたようなはじっこにあった。
 帰りの岡山駅で売店を覗くと、「下津井旅情」という駅弁が目に入ったので、つい買ってしまった。新幹線の車内でそれを開いてみると、かわいらしい小さなタコが一匹入っていた。そういえば、下津井の港には蛸壷が積んであったなあ。

▼国土地理院 「地理院地図」
34度25分49.12秒 133度49分16.17秒
105くすみはな-5.jpg
dendenmushi.gif中国地方(2007/03/27 訪問)

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タグ:岡山県
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