076 西ヶ崎・鬼ヶ崎=安房郡鋸南町岩井袋・下佐久間(千葉県)袋の中身はなんだろう [岬めぐり]
でんでんむしの岬めぐりには、いくつかの効用もあるしテーマもあるのだが、そのなかに“人はなぜそこに暮らすのか?”というのもある。だいたいにおいて、狭い国土に人がひしめき合っている国といってもいいが、それは都会中心の見方でもあり、地方のはずれに行くと、過疎と住民の高齢化が問題になっている。それでも、「こんなところにも人が住んでいるんだ」という感慨に打たれることが多い。
こうした問題は、シロウトがとりたてて言うことではないが、でんでんむしの感慨は、もっと原点的な素朴な疑問なのである。
房総は、東京にも近いし、暖かいし海山の幸にも恵まれた所なので、そういう点からすれば、人が暮らすのに適した土地なのだろう。そんな房総の入り組んだ海岸線の岬と入江の、ほとんど例外なく…といっていいほど、人が暮らしている。
いったい、どういう経緯と理由によって、彼らはここに住むことになったのだろうか。
西ヶ崎という岬は、内房のなかでも屈指の海水浴場として知られる、岩井海岸の北側に出っ張っている。そこは二つの岬が一つの深い入江を抱え込んでいる。その奥まった所に、数十戸の集落がへばりついている。それが岩井袋である。地名には岩井がついているが、ここは岩井海岸の南房総市ではなく鋸南町に属する。ここまで行くには、勝山からだと峠を越え、トンネルをくぐり抜けて行かなければならないが、最近のことで少し大きな道もできている。
風の強い日だったので、浪が狭い道路にも打ちあがっている。西ヶ崎の突端は防波堤で囲まれているがその向こうにはさらに岩礁地帯がせりだしていて、さらにその先には八ッ磯という岩場が続く。北側を望むと、鬼ヶ崎という岬と浮島という島が見える。この先の道は、行き止まりになっており、なにしろ自転車が進まないくらいの強風なので、鬼ヶ崎はここから眺めるだけにする。
しかし、ここから見ると、この行き止まりの道の奥には、赤い屋根に白い壁といった瀟洒な建物もいくつか目立つ。過疎と高齢化の集落の隣に、タマにしかこない別荘族が入り込んでくる。それもまた、全国各地で広がっている現象なのだ。
▼国土地理院 「地理院地図」
35度6分5.32秒 139度49分33.76秒 35度6分24.78秒 139度49分32.84秒
関東地方(2007/01/27 訪問)
昔(かってぼ)という病気が流行りました此処はその隔離地域です。
今でもかってぼという言葉が残ってます。
意味はくそったれとかクソヤロウとかいう意味で
by NO NAME (2016-01-18 16:54)
@NO NAME さん、この行き止まりのところが、そうだったというわけですか。
そういわれてみる、いかにも隔離するには適しているような地形です…。
コメントありがとうございました。
by dendenmushi (2016-01-19 04:19)