051 喜屋武岬・荒崎＝糸満市字喜屋武・字束里（沖縄県）平和の塔から平和の礎へ黙ってなにを語らんとす

　四角い小さな白黒画面で、白い筋が走るようなニュース映画（といってもそれは日本軍が撮影したものではないし、日本の映画館でニュースとして上映されたものでもない）にあったシーンが思い浮かんでくる。もんぺ姿の女性たちが、断崖の上から次々に身を投げる…。
　あれは、ここだったかもしれない。別の岬だったのかもしれない。

　喜屋武岬へ行く道も、なかなかきびしい。那覇から糸満へ行くバスに乗り、そこからはタクシーに乗る。例によって、便が少なくバス停からもさらにかなりはずれたところにある。この辺の特産だというニンジン畑の間の細い道をくねくねと走ると、灯台と青い平和之塔がある岬の先端に着く。

　沖縄本島の最南端は、厳密にいうとこの喜屋武岬ではなく、この東に見える荒崎という岬がそうなのだが、そこへは道もない。こんな断崖で、本島の南端はぐるりと縁取られているらしい。それは、ここから東へ続くひめゆりの塔や健児の塔よりもっと先まで続いているようだが、今回は摩文仁の平和の礎（いしじ）だけ訪れることにした。
　国立墓苑のほうは丸く突き出しているが、平和の火の辺りは岬という地形ではない。広い公園には黒い御影石が半円形にぐるりと並び、そのひとつひとつに小さく白く刻まれた無数の名前が、ちくちくと刺さる。
　まるでリゾートホテルかなにかのような、赤い屋根に白い壁の沖縄県平和祈念資料館は、ちょうど定休日にあたっていて閉館していた。なんとなく、ほっとしてしまった。

　＠明日は9時まで、So-netさんまたメンテだそうですから、明日の書き込みはお休みにします。でんでんむしの岬めぐりも第一期分としては、残すところあと二岬。さて、それはどことどこでしょうか？
　な〜んちゃって。そんなん問題になるのか〜。

▼国土地理院　「地理院地図」
26度4分44.91秒 127度40分8.74秒　26度4分31.31秒 127度40分48.91秒

沖縄地方（2006/01/27　訪問）

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