037 佐田岬=西宇和郡伊方町正野(愛媛県)日本一細長い半島を延々西へ行ってその先っ.. [岬めぐり]
日本全図を眺めながら、目立つ出っ張りをマークして、機会をつくってはのろのろと出かける…それがでんでんむし的岬めぐりなのだが、前々からここはどうしても行かなきゃねという念願のポイントがいくつかあった。
四国の最西端をつくる佐田岬も、長い間その一つだったが、やっと念願かなったのは、この秋のことだった。その姿は、フェリーに乗って海から眺めるのがいちばんきれいに見える。こうしてみると、緑の岬に白い灯台というのではなく、赤や青の崖の岩肌が露出していて、今もどんどんがけ崩れが起こっているような印象がある。翌日、実際にその近くまで行ってみて、それが事実であることを確認した。
細長い佐田岬半島は、その付け根の八幡浜からおよそ50キロ(目分量)近くも西へ行かなければ先端に到達しない。幅はいちばん広いところでも3キロちょっとという、いかにも岬らしい岬といえる。そのほとんどが山で開けた平地はなく、高いところでも400メートル程度、海岸線は大小の入江ででこぼこしている。こういう地形は、日本中探してもここだけなのだ。
当然、鉄道はなく、朝・昼・夕の一日三本の松山と岬を三分の二ほど行ったあたりにある三崎という集落を結ぶ特急バスが、ほとんど唯一の公共交通手段である。
この三崎港から、国道九四フェリーが佐賀関へ向けて出ているが、佐田岬へはここからさらに西へ行かなければならない。“乗合タクシー”なるワゴン車が一日数本あるので、これを利用するか、三崎からさらに西へ入った内之浦・正野あたりの宿に泊まって車を出してもらうように頼むしか手が…いや足がない。
これはもう、ある意味立派な秘境といえる。正野からさらに奥へ、岬のかなり高いところを通る細い道を行くと、ところどころにそれでも人家があるらしい様子が見えるので、まるで無人の境を走るわけではない。その道が突然終わる。行き止まりである。
駐車場があるが、地面が半分崩れかかっていて、立ち入り禁止になっている。灯台のそばまではここからまた1キロほど上り下りしなければならない。今回は(次回があるのかどうかは不明)乗合タクシーの折り返し便に乗らないといけないので、崩れかかった駐車場から西日に浮かぶ灯台の頭を眺めることで満足した。
そうそう、この先に見えているのが大分県の関崎ですよ。
▼国土地理院 「地理院地図」
33度20分46.69秒 132度1分18.03秒
四国地方(2006/10/04 訪問)
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