SSブログ

006 五浦海岸・二ツ島=北茨城市大津町・磯原町磯原(茨城県)津波で流される前の六角堂ですよ [岬めぐり]

 比較的のっぺりしている茨城県の海岸には、北の福島県の県境に近い所に太平洋に突き出して目立つ出っ張りがある。五浦というこの場所は、断崖に囲まれたでこぼこが連なるが、別になんとか岬とかかんとか崎という名がついているわけではない。
 砂浜などまったくない一帯の荒磯は五浦(いづら)海岸と呼ばれるが、地形上もちろん立派な岬である。

 ここから、少し南に下がった所に磯原という町があり、ここにも天起山という小さな岬がちょこっとある。ほんとうはここの岬の旅館に泊まって海を眺めたかったのだが、満室ということで断られた。確かに、アンコウのシーズンとはいえ、もう3月である。そんなに繁忙期というわけでもなかろうに。おまけに、五浦の有名な宿でもかなりケンモホロロに近い断られ方をした後だったので、いささか茨城にはいい印象ができなかった。
 磯原から野口雨情の記念館を経由して、五浦のほうに戻る途中に、砂浜に小さな島が飛び出している。この二ツ島はいわば、岬になり損ねた島である。結局、そこのホテルで泊まることにしたが、この海岸もなかなかよかった。

 岡倉天心が、なぜこの五浦に日本美術院をつくり、いささか強引にか呼び寄せた仲間とともにあえて不自由で厳しい環境にひきこもったか、さまざまな理由があったのだろう。だが、いちばんに帰すべきは強烈な個性というものであろう。
 竹の釣りざおをかつぎ頭巾をかぶり仙人のような格好をした天心も、当時も今も突き出した岬のようなものといえるかもしれない。五浦の岩の上に荒波に挑むように突出した六角堂は、そのシンボルであろう。

 しかし彼は、その突出した個性の故に、岬になり損ねて孤島になることはなかった。今では茨城県がその遺徳のおかげをもって崖の上に建てた、驚くほどに豪華で立派な天心記念美術館は、果たしてどうだか知らない。
 そこから海を望むと、遠く平べったい岬がつながって見える。この先端が福島県塩屋崎なのだが、ここは一度行こうとして果たせなかったことがあり、まだ未踏で残っている。


▼国土地理院 「地理院地図」
36度49分52.08秒 140度48分18.80秒 36度48分20.31秒 140度45分40.60秒
006いずらかいがん-6.jpg
dendenmushi.gif関東地方(2001/03 訪問)

@このブログは、ヘッダー、サイドバーをも含めた、全画面表示でみることを大前提としています。

にほんブログ村 その他趣味ブログ
その他珍しい趣味へ 人気ブログランキングへ

タグ:茨城県
きた!みた!印(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:地域

きた!みた!印 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

トラックバックの受付は締め切りました